桜色の薔薇は永遠に【紫×緑】 (ページ45)

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桃

絶対一緒に行くって主張する流星を
宥めるのに一週間かかった。

桃「絶対戻って来るって約束する。」

俺一人で行きたいのは、
流星の依存を断ち切りたかったから。
単純に愛して、隣にいたい存在で
あって欲しい。依存とか、
おらな死ぬとかやなくて。かなりの確率で
結局どっちか取り残されるんやし。

神ちゃん通じて濱田先生に連絡を取った。
俺が欲しいのはほんまに数分だけ。
数分だけでええ。濱田先生に会いたい。
5年間ひたすら恋した人に。

駅前の広場で待つこと30分。
早く来すぎてもうたことには
突っ込まんといてやー。

「小瀧。」

あーあ、死にそう。
その声で呼ばれるだけで死にそう。

紫「久しぶり。」

変わらん笑顔。
人の好さが滲み出た、万人受けの笑顔。

桃「...濱田先生。」
紫「大きくなったなー！」
桃「そんなに身長変わってないですけど。」
紫「雰囲気や雰囲気。
テレビでは見とったけど、
すっかり大人やな。」

大人、か。

桃「見ててくれたんですね。」
紫「見てたし、昼休みとか教室おったら
のんちゃんのんちゃんってめっちゃ聞いたで？
女子がずーっと喋ってんねん。
俺のんちゃんの担任やってたで！って
言うたんやけど、
信じてもらえんかった。(笑)」
桃「嘘やん。(笑)」

こんなお喋りも楽しいけど。
俺は要件言うたらもう帰るって、
そんくらいのつもりで来た。
早よせんと、また濱田先生に夢見そうやから。
流星のとこに帰るって約束したから。

桃「あのね、先生に言いたいことあって、
今日声かけたんです。来てくれて
ありがとうございます。」
紫「おおん、全然。何？」

さよならの瞬間か。
フラれに行くってこんな気分なんやな。
ひたすら重くて、どうしようも出来なくて、
なんだかもどかしい。

桃「先生知ってると思うけど、
俺先生のこと好きです。」