桜色の薔薇は永遠に【紫×緑】 (ページ39)

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黄

大毅の制服見納めに、
迎えに行ったるって言うたら断られた。
残念やけど、この前制服の大毅と
ツーショット撮ったからええかって。
思ってたら。
また制服の大毅を見れるとは思わんかった。

卒業式の帰り、自分の家にも寄らんと
俺の家に帰ってきた大毅は、
まぁ酷い顔しとった。

黄「お帰り...、どうしたん？」
赤「淳太ぁ......。」

おねむの子供みたいに
グズグズと抱きついてくる大毅を受け止める。
そのまま大毅は俺の胸元を濡らす。

黄「泣いてた？」
赤「...泣いてた、今も、泣いてる。」

それは知ってる。
とりあえず上がらせて、
落ち着かんからソファーに座らせた。

黄「どうした？俺に話せる？」

幼稚園児あやすみたいに、
目線を下げて優しく声をかける。

赤「神、ちゃん、がな、」

安定しない呼吸の中一生懸命伝えようと、
喋り始める大毅の手を取ってさする。

赤「はま、濱田先生に呼ば、れて、
多分、告白やけど、」

せやろな。
濱田先生と神ちゃん...、やっとか。

赤「なん、なんで？」
黄「ん？」
赤「流星と、小瀧は？」

......嘘やん。正味俺はそう思った。
嘘やんこいつって。

赤「濱田先生と神ちゃん、と、
同じように辛い思いしてきたのに、
なんであの二人は報われ、へんの...！」

何かが切れたように大毅は
嗚咽混じりに叫び出して、
それ以降は「なんで」とか、「なんで」とか。
そんな断片的にしか聞き取れなかった。
それから、「照史もやん」って。

赤「なんでなん！！」
黄「せやな、おかしいよな。」
赤「おかしいて！ほんまになんで！！」

のど枯らす勢いで叫んで叫んで泣いて泣いて。
俺はそんな大毅を強く抱きしめていた。

それしか、出来ひんかった。