桜色の薔薇は永遠に【紫×緑】 (ページ37)

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橙

紫「ぉわ～！桐山ー！」
橙「濱ちゃん先生久しぶり！」
紫「来てたん？」
橙「ちょっとな、近況報告に顔出してた。」

懐かしい校舎の懐かしい体育館。
濱田先生おると思ったわ。的中や。

橙「ほんで濱ちゃんと喋りたいなーって。」
紫「おーおー、喋ろーや。」

濱田先生、やっぱ好っきゃなって思った。
この万人受けの性格。俺も万人の一人やもん。
なんや安心するし、
でも懐かしさにテンション上がるし。

近況も思い出話も語り尽くした頃には
大分暗くなってて。

紫「桐山、時間大丈夫なん？もう暗いで？」
橙「俺大学生やもん。平気。」
紫「そっか、なんか寂しいなぁ。(笑)」
橙「先生さ、」
紫「ん？」
橙「モンチ頼むな。」

高校来たほんまの理由はこれやった。

橙「今日な、俺、モンチの兄貴枠として
これ言いに来ましたっ。」

モンチの兄貴枠。この響きが気に入ってる。

橙「モンチらの卒業まであと1ヶ月やろ？
モンチさ、ずっと、3年間泣いて来てん。
報ってやって。濱ちゃん先生にしか
出来ひんことやん。ちょっと悔しいけど。」

俺は心の底からあったかい気持ちで笑える。
だから、そんな悲しい顔せんとって？先生。
モンチが好きなんは先生の笑顔やん。

橙「モンチ2年待ったで？」

すっと、濱田先生の頬を涙が伝う。一筋だけ。

橙「迎えに行ってやって下さい。」

俺はモンチの幸せの手伝いをしたい。
それが出来ひんならひたすら祈る。
全ての祈りと想いをかけて
濱田先生に頭を下げた。

その頭を、ぐっしゃぐしゃに撫でられた。

紫「ほんまお前は...、
ほんまなんていい子なんや！」
橙「いい子ちゃうよ～！(笑)
これでも結構淳太くんはぐらかしたり、
望を先生から遠ざけたりして来てるんやで？」
紫「ほんま、すまんな...桐山。」
橙「何言うてんの、むしろありがとうやし。
ん？ちゃうわ、モンチ泣かしてきた分は
謝ってやー。俺にもモンチにも。でも、」

ほんま、良かったなモンチ。
モンチが惚れたんがこの人で。

橙「モンチのこと見つけて、
好きになってくれて、ほんまおおきに！」

幸せにしてやって下さい、濱田先生。