桜色の薔薇は永遠に【紫×緑】 (ページ35)

今日:18 hit、昨日:22 hit、合計:73,467 hit

1801 ページ35

青

青「はーまだ先生。」

放課後の体育館に一人。
片付けを手伝うと称して拷問の日。

青「手伝いますよ。」
紫「ほんま？ありがとうな。」

その人の好さような笑顔、大っ嫌い。
俺には出来へんから嫉妬してただけかも。
望が大好きな表情やったから。

青「濱田先生さー、」
紫「ん？」
青「前の保健の授業で
恋バナしてくれたやん。」
紫「せやな。」
青「先生の好きな人って神ちゃんやろ？」

先生はこっちを見ない。

紫「なんでそう思ったん？」
青「分かるもん。」

もん、って子供っぽいって、
自分で言うて自分で慌てた。

青「神ちゃんなんやろ？
否定出来てへんやん。」
紫「せやな。」

ようやくこっちを向いた濱田先生は
いつになく真剣で、でも笑ってた。
分かる、俺をどう大人しゅうさせようか
フル回転で考えてんねん、この人。

紫「否定は出来ん。肯定もしない。」
青「でも待つんや、卒業まで。」

相変わらず微笑んで、目元一つも変えない。

青「卒業まで、俺ら
こんな想いして生きてくんか？2年も。」
紫「......ん？」
青「先生何人殺してるか分かってるん？」

望も、俺も、神ちゃんも照史も。

青「2年もしたら全員死んでまうわ。」

目元が熱くなってくる。
やめろ、泣くな泣くな。

青「先生さ、
神ちゃんと仕事どっちが大事なん？」
紫「藤井、」
青「生徒と自分。
先生は自分を守ることしか考えてないやん。」
紫「俺はな。」

あぁ、それよ。その声。
その表情が見たかった。先生の本性。

紫「ええ人やとか優しいとか言われるけど、」
青「ほんまはチキンで自己中。」
紫「...模範解答通りや。」
青「生徒思いに見えるけど、
ほんまに苦しい顔してる時は向き合わん。」

神ちゃん以外には。