桜色の薔薇は永遠に【紫×緑】 (ページ20)

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青

青「あぁー...。」

隣に望がおらんってだけで、
こんな寝つき違うもんか。
ソファーってこんな心地悪かったっけ。

寝返りを打ってみるけど
何って変わることなんかもちろんなくて。

望、朝になっておらんかったらどうしよ。

こういう時だけ妙に冴える頭。
もうめんどくさくて
ドライヤーもブラシもしなかった長髪が
気持ち悪い。
ちゃんとやっときゃ良かったとは思うけど、
もう起き上がる気力はない。

桃「......流星？」
青「えっ？望？」

なんか物音したかな、と思えば望。

桃「起きてる？」
青「どうしたん？」

スマホだけライト代わりにつけて、
気力なかったはずなんに
パッと起き上がれんのはなんで。

望はソファーの下に座って、俺を見上げる。

桃「...寝れん。」
青「なんで？温かいもんでも飲むか？」
桃「独りじゃ寝れん。」

なんやこいつは。
何を、何を急に可愛いこと言い出すんや。

青「せやな。寝れんな。」
桃「は？」
青「お願いせえ、ちゃんと。」

もっと可愛いのみたいって、
独占欲がほくそ笑む。
俺はそれに喜んで従ってる。

分かってんねん、お子ちゃま、俺。

桃「独りぼっち、寂しくて、
寝られへんから、流星、
のんと、一緒に、寝んねして？」

涙目、上目遣い、袖クイ、満点。

青「そんなんどこで覚えてくんの。」
桃「俳優の本気。」
青「あー。」

良かった。いつもの望や。

望に手を引かれ、
寝室のベッドに二人並んで入る。
一瞬なんや誘ってんのかと思ったけど、
ようよう考えたら
明日セミヌードや言うてたな。

青「ごめんな望。」
桃「ええから。俺も、ごめんなさい。」
青「ちゃう、それもそやけど、
明日ヌードやん。考えてなかった。」
桃「流星はさ、ええの？ヌード。」
青「気にならないわけないけど...、
カッコいい望はまだ見られたとて平気。
でも可愛い望は全部俺の。
...俺に言われても嬉しないか？」
桃「そんなこと、」
青「正直に言うて。」

その可愛い唇に人差し指を置いて、
ちょっと叱るように言う。

桃「......嫌やないよ。」
青「ありがと。」

その前髪をかきあげて、
露わになったおでこに口付けする。
いつか、俺は流星のやないと嫌やって
言わせるから。絶対そう言わせるから。

もうちょっと、待っててな。望。