桜色の薔薇は永遠に【紫×緑】 (ページ5)

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緑

誰もいない廊下をダッシュして、
階段を駆け上る。
屋上の扉まであと一歩のところで
躓いて転けた。屋上まで登って、
何をしたかったのかは知らん。
でも、下腹部を階段の角で強打したせいで、
もう階段を登れやしない。

壁にもたれて座ると、
自然とあっつい涙が出て来た。

桃「神ちゃん。」
緑「...あ、のんちゃん。」

慌てて目元を拭うけど、当然遅い。
のんちゃんは俺の一段下に腰掛けて、
綺麗なハンカチを差し出してくれた。

緑「ええよ、汚れるから...。」
桃「へーき。使い。」

ありがとって、ぐしゃぐしゃな声が出た。
のんちゃんのハンカチはふわふわで、
優しくて、嗚咽と共に言葉が零れてく。

緑「俺頑張ったんやで、」
桃「濱田先生？」
緑「うんっ、俺...
めっちゃ頑張ったのに...。」
桃「なんて言われたん。」
緑「笑って、はぐらかされた...。」
桃「......最低やな。」

そうやってのんちゃんが言ってくれるから、
俺はちょっと楽になれるんやで。

緑「ありがとのんちゃん。でも、
しゃーないよ...。先生は先生やし、
俺は学生で、生徒やし、
先生には待たせてる人がおるんやろ...？」
桃「違う！先生は、」
緑「ええののんちゃん。ほんまありがとね。」
桃「ちゃうねん、俺は知ってんねん......。」

悔しそうに呟いてくれるのんちゃん。

緑「そうやってのんちゃんが
言うてくれるから、俺大丈夫でおれるわ。」

のんちゃんはちょっと困ったように
眉を下げて、優しく微笑んでくれた。

緑「そんな悲しそうな顔しないの。
もぉー......、濱田先生のあほぉ...。」

だから安心して、思いっきり泣けた。

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お話の番号振り直しました。
変わっちゃってすみません...。m(_ _)m