* い ち ご み る く *

3。M*side ページ4

宮國*side




「おはようございます」


阿「おはよう」

内「おっはよー！」




5年ぶりに会った君は

昔から垢抜けていた容姿も含め、随分と成長していた。


と言っても
Aから出ている独特なオーラは
相変わらず不思議で、幼さを感じさせる。



…従兄弟として心配なのは、まずチームメイトの反応で。




坂「…ちっさ…あんなんでほんまに大丈夫なん？」




勇人さんは昨日からずっとあんな調子だし、他のみんなはどう接していいのかわからず戸惑っている様子。


一軍スタートの新人はAだけだし、独りぼっちはあまりにも可哀想だし。

かと言って、先輩たちを置いて俺がニコニコ話しかけるのも気が引ける。


阿部さんと内海さんが居てくれて良かった…




阿「じゃあまず、アップからいこう」


巨「はい！」








ーーー









坂「なんなん、あいつ！」



露骨に嫌な顔を隠そうとしない勇人さん。

どうやら、Aが上の方から絶大な期待と注目を浴びている事が面白くないみたいで…



坂「俺、絶対女なんか認めへんし！」



“悪く言わないでやってください！”
なんて言えない、ヘタレな俺。

カッコ悪い兄ちゃんでごめん、A…




ふと気がつくと、

隅っこの方で1人休んでいるAを発見。


俺は良い事を思いつき、ドーム内部に引き返し“あるもの”を買ってAの元へ向かった。



近づくにつれ香ってくる、甘い匂い。



後ろから、コツンと頭を叩いてみた。




『…お疲れ』


「…椋兄？え、あ、ありがとう」




きょとんとするAの隣に座り、“あるもの”を渡す。

と、たちまちAの表情が明るくなった。



「いちごみるくだー♪」

『自販機で買ってきてやった笑』



苺とミルクがあれば生きていけるAは、

その二つを合わせたいちごミルクが大好き。


いちごミルクの話になると、すごく嬉しそうな顔をするから
やめてほしいくらい可愛い。笑




「ありがとー。兄は優しいね」

『んー？、お前にだけだから』

「まだシャイなのー？」

『うっさい笑』





いちごミルクのおかげですっかりご機嫌になったA。

そんなAが愛しくて、ポニーテールにした髪の毛をそっと撫でてみた。




『いじめられたりしたら、すぐ俺に言ってな』

「うん♪またいちごみるく買ってね♪」

『話聞いてる？笑』








これから始まる、乙女レジェンドが



とても楽しみだ。





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