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「波の音がする」
暫くぶらぶらと歩いていると、いつの間にかいちごミルク飴をくわえていたAが
そんな事を言い出した。
そういや、ホテルから海が近いってスタッフが言うてたっけ。
俺には波の音なんて全然聞こえんけど、Aに引っ張られて海の方へ向かった。
『…スゲ』
「海だぁー♪」
突然開けた視界に飛び込んできたのは
紛れもなく、海だった。
決して大きな砂浜ではないけれど、月明かりに照らされ白く輝く砂は綺麗で、
「さかもと、見て…透き通ってる」
その景色に驚くほど映える小さな美少女を、迎え入れていた。
Aはサンダルを脱ぎ捨て、海に脚だけ浸している。
いちごミルク飴を片手に、ぱしゃぱしゃと水を散らせて。
『うん…綺麗やな』
海以上に、お前が。
ふわふわの長い髪の毛を海風が揺らし、絵のような光景になっている。
この少女が、あの天才的なプレーをしているプロ野球選手やなんて思えへん。
そこらへんのモデルなんて足下にも及ばんくらい、綺麗や。
「さかもともおいで？」
『…』
俺を呼んでいるAを追いかけて海に入ると、Aの身体を優しく包み込んだ。
ほんまに自然に。抱き締めたくなってん。
「どーしたの？」
『なんもー』
華奢な身体を抱き締めてると、やっぱりAは女の子なんやなーって。
急に愛しさが溢れてきて、Aの額にキスを落とした。
前髪をそっと掻き分けると、左額に見えた傷。
割れたヘルメットの破片が刺さったような切り傷と、ボールが当たった衝撃で出来た青アザが
痛々しく残っている。
こんなに陽ィ浴びてんのに、
全く荒れてない白い肌が
砂浜と同じように、月光に輝いていて。
まるで誘うような甘い香りに、平静を装っていられるのもここまでだった。
『A…』
「…ふぇ？」
『あれ、してええ？』
ま、ダメって言われてもするけどな。
顔を上げたAの後頭部に手を回し、じっと見つめる。
「さかも、」
『ごめん限界』
Aが言い終わる前に、唇を重ね合わせた。
柔らかくて甘い
Aの唇。
ほんのり、いちごミルクの味がするキス。
もちろんフレンチの方やけど。
夢中になって、何度も繰り返す。
「…ん、っ」
月の下
海の中
重なる二つのシルエットの間には
誰もが羨むような
甘い関係なんて、無い。
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ヤマトストロング(プロフ) - 私は、鷹党ですが、この小説かなりいいと思います。 (2014年1月4日 16時) (
レス) id: 414c0c4970 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー(プロフ) - Candyさん» いえいえ！私まだフロチャしかしてなくて、12月あたりからずっと下書きしてたのをUPしようと思ってて…。でも嵐のなので暇な時でいいですよ！ (2013年11月18日 16時) (レス) id: 3da4eb0c69 (このIDを非表示/違反報告)
Candy(プロフ) - よっしーさん» 本当にありがとうございます♪((´艸｀*))よっしーさんの作品もまた見に行かせてもらいます！頑張りますね^ ^ (2013年11月18日 6時) (レス) id: 1cf12ffc4e (このIDを非表示/違反報告)
よっしー(プロフ) - そんなことありますよ！！私は書いててもどーも….(T_T) 小説もそうですけど色々頑張ってくださいね！ (2013年11月17日 23時) (レス) id: 3da4eb0c69 (このIDを非表示/違反報告)
Candy(プロフ) - よっしーさん» そんなことないですっでもありがとうございますヽ(*＾ω＾*)ﾉお願いします♪ わかりましたっ！！ (2013年11月17日 20時) (レス) id: 1cf12ffc4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Candy
| 作成日時：2013年9月30日 9時
