* い ち ご み る く *

25。M*side ページ27

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試合が終わって、みんなの用意ができたところでAの検査をしに病院へ行ってきた。


A一人の検査のためにぞろぞろとでかい男たちが行進…

何せ巨人軍全員で付き添ったから、病院は相当迷惑だったに違いない。



そして検査は全くの異常ナシ。
もう健康体そのもの。

病院の先生もビックリしていた笑



大事をとって明日の試合は控えた方がいいとだけ言われ、病院を後にしホテルに戻った。







「久義ー♪」

長「みるくおいでー^ ^」

坂「長さんばっかずるいー。みるく、俺んとこにも来てやー」

「久義がいいのー♪」

長「だよなー♪」

坂「ひどいわ笑」




きゃっきゃ言いながら長野さんに抱っこしてもらっているA。



いつもなら長野さんいいなーとか思うけど…

…今はそれどころじゃない…


Aの顔すら見れない！




あの時、ほんの一瞬だけ本能が勝って…

気がついた時には、
Aに、き…キ、キスをしていた。


子供の頃から仲良かったけど、キスなんてした事なかったのに。

Aの“大好き”はそういう意味じゃないってわかっているのに。


俺は従兄弟なのに…


Aは天然だからどう思ってるか知らないけど
俺、最低な事したよな？


女の子に了解も得ずにキスするなんて。
…しかもよりによってAに。



ああ、俺はなんてバカな事をしたんだ！





坂「椋丞ーふられたー笑」


とか言いながら抱きついてきた勇人さん。


俺は勇人さんみたいな人が羨ましい。

かっこよくて、面白くて、いたずら好きで毒舌だけど、実は優しくて。

何事にも前向きで、明るくて。


俺もそんな風にポジティブな人間になりたい…




坂「椋丞？お前、さっきからどーした？」


宮「勇人さん…俺、勇人さんが眩しいっす…」

坂「はぁ？笑」



“急に何言ってんねん笑”
突っ込まれたけど、俺は引きつった笑顔しか作れなかった。



長野さんとじゃれてるAを見て、想う。




A。



俺が小さい頃から

お前しか見ていないこと、知ってる？





従兄弟じゃなくて、親友じゃなくて、


男として見てほしいのに。




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