漫画みたいに甘くない！2

58話 正体 ページ12

ジューゴside


｢誰.....誰だ.....！！？？｣




周りを見渡して声の主を探すが





｢...くそっ.....｣






誰もいない。







気配さえもねぇ...何でだ.....？








｢！...ま、まさか...！｣







さっき喋った奴が俺の“中”にいる正体か、そう思ったとき









一瞬、目の前が真っ暗になった







そして







？｢なぁジューゴ、あの女とはどういう関係なんだ？｣








俺の前には不気味に笑う、知らない男がいた。








｢誰だお前は...！！｣








？｢おいおい、俺が先に質問してんだぜ？答えになってねぇぞ｣








ククッ、と喉を鳴らしながら近付いてくる









“あの女”とは、きっとAのことだろう








｢っ...お前には関係｣





ねぇだろ、そう言おうとしたが









ドスッ









腹部に鈍い痛みが走る。









...な、何だ...？









視線を落とすと









...........は？









俺の腹にはナイフが刺さっていた。









｢う...うあぁぁ！！！｣








痛さと混乱で、声を荒らげる。








？｢ククク...自分の立場をわきまえろよジューゴ！｣








楽しいと言わんばかりに声が大きくなる目の前の男









何だ...コイツ...！！








お腹の周りが熱くて、意識が朦朧としてくる。








？｢まだ寝ないでくれよ。俺の質問に答えてないだろ？｣








そう言いながら、男は俺の腹部に刺さったままになっているナイフを握る。








｢！.....ただの友達だ。｣








？｢ふ〜ん...友達、ねぇ...｣









“友達”というフレーズを強調し、怪しい笑みを浮かべる。








｢な、何を企んでる...！｣








？｢ん〜？ひ、み、つ♡｣









そう言ってナイフをさらに深く押し込む。









｢ぐ、あぁぁぁ！！や、やめろ...！！｣









激しい痛みが全身を支配する。









｢はぁっ...はっ...｣








頭がクラクラし、俺は死ぬと思った。









？｢...あ、そういえばお前の質問に答えてねぇな。...知りたいか？俺の名前。｣









コイツはきっと、わざと俺に喋らせているんだろう。









｢はぁっ......あぁ...｣








必死に酸素を取り入れながら答えると









エ｢エルフ。...よろしくな♪｣








男はそれだけ言って踵を返す








エ｢...あ、お前はまだ殺さねぇから安心していいぜ♪｣









最後にそう言い、どこかへ消えた。

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