初仕事、波乱の予感 ページ3
『お母さん…お父さん…行ってきます。』
返ってくることのない返事、分かっていながらもちょっと寂しい。
私はA、今日で15歳。今日が初仕事の日。そして私は転生者。
これを親に伝えると驚いていたが、母達はぎゅっと抱きしめて私にこう言った。
「貴女は紛れもない私たちの子。きっといつか、あなたにも話さなければいけない日が来るわ。」
「何があっても、私たちはお前の味方だ。心配するな。」
と、心底この人たちの元に産まれて良かったと思った。でも、そんな母親は先月から行方不明。それを探しに父親も母親の形見(?)を私に渡して去っていってしまった。そんな母親を探すべく、私も今日から仕事だ。
『お母さん、お父さん…行ってきます!!』
家を後に、仕事場になるSkeldの乗り場へ向かう。
「あー!今日から入ってくれる、新人のAちゃん?頭良さそう…」
『よろしくお願いします。』
ニコニコと笑ってみると、
一同 「よろしく〜/よろしくお願いします。/……」
皆丁寧に挨拶を返してくれた。
そんな中、異質なヤツを見つけた。
Black 「………」
あいつは……Black!この世界のバグ。関わったら秒で消される…!
Black 「……………ニヤッ」
そう思っていると彼は不敵に笑みを浮かべた。
彼を凝視していると、可愛らしい灰色の物体が視界の隅に止まる。
「わぁ!お姉ちゃん!!はじめまして!お名前は?」こてん
「あ!すみません!うちの子が……はじめましてAさん、私はこの子の父です。Grey…だとわかりにくいのでお好きに呼んで下さい。」
……どうやらGreyらしい。前世“あの”ゲームをしていた為嫌でもわかる。
彼は後々Blackの手駒になってしまう。何としてでもそれは阻止したい。
「あの…すみません!!」
『きゃっ!』
「大丈夫ですか?神妙な顔付きをしていたので…」
『ごめんなさいっ!えっと、GreyさんとGrey君?よろしくお願いします、Aと言います。』
「敬語なんていいですよ〜この船で過ごす仲間でしょう?」
「Aおねーちゃんよろしくね!」
『うん!よろしくGrey君。あ、あと私は今日で15歳です!』
「えー?!若いねぇ…」
和気藹々と会話をしていると、突然そんな雰囲気を吹き飛ばすような声が響き渡る。
「大変だっ!!この船に…インポスターがいる!!」
頭が真っ白になりそうだった、もうそんな早くに事が動くなんて…
必死になってGrey君を抱える彼の父を横目にそう思った。
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noinn - なるほど!受験期なんですね! (11月5日 8時) (レス) id: 2b7669ce56 (このIDを非表示/違反報告)
Cherry(プロフ) - noinnさん» ありがとうございます!作者は今受験期なので更新速度は落ちますが楽しみに待っていてください! (9月30日 21時) (レス) id: cd446a6bb7 (このIDを非表示/違反報告)
noinn - この作品は神ですか?!この作品好きです! (9月25日 23時) (レス) id: 2b7669ce56 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - たつじんになったけどぜーんぶおちた☆ (7月30日 22時) (レス) id: 2b7669ce56 (このIDを非表示/違反報告)
るりとき(プロフ) - 僕サーモンランたつじん+1だよ (7月29日 8時) (レス) id: 058327b207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Cherry | 作成日時:2023年4月8日 19時