は ち み つ 。

過ち。 ページ13

.




小さくなっていく背中を見ながら、Aちゃんから買ったスポーツドリンクを一口飲んだ。

試合とシャワーで渇いた喉を潤していくスポーツドリンク。
甘いけれど、今の俺には酸っぱく感じる。




なんか俺、Aちゃんの背中ばっか見てるわ。






帰る支度をしてる頃、忘れ物を思い出した俺。
それをベンチに取りにきたら、客席に一人座る女の子が居って。

それがAちゃんやと気づいたから急いでスタンドまで来たんやけど。







連絡先を聞けばただ一言、やだと言われ。
肩を掴んだものの俺の手を振り払い、不機嫌そうな顔して駆けて行ってしまった。

俺、相当嫌われてるやん。







正直最初はやましいことも考えてたかもしれんけど、今はそんなこと考えてへん。

Aちゃんに謝りたいし、許してもらいたいし、
…仲良くなりたいし？

この俺をフツーに拒否ったんや。
気にならへんわけがない。









「勇人、あの…」

「ごめん、今日は疲れてん。またな」



Aちゃんの事で頭がいっぱいで、約束していた女まで断ってしまった。

俺、どうかしてる…








俺が女に認められんなんて許さへん。
絶対気に入ってもらうんや、Aちゃんに。

…近づきたいねん。









俺を殴った女の子。
この俺とのキスを喜ばへん女の子。
俺に貼られたレッテルに捉われへん女の子。






他の女とは違う
キャーキャー騒ぐファンとも違う


少し変わった君に

確実に惹かれ始めていたから。

オムライス→←スポーツドリンク

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す