* い ち ご み る く * 2

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なんでみるくを手離したかって？



だって、
正々堂々みんなと戦いたいやん。

なんか俺だけ卑怯な手使ったみたいやったやろ？


Aはまだ俺のこと好きやないし、
想いは俺の一方通行なんやったら、

ちゃんと惚れさせて、Aの口から“好き”って言葉聞きたいし。
もちろん女として、男の俺が好きって。




あの日街中でキスしたら思いっきりフライデーされたわ
俺だけ原監督にまで怒られたんやで？笑





「むー…」





そして今、
ジャイアンツのアイドル乙女Aは、ロッカールームの端っこでティーン雑誌と睨めっこ中。

眉間にシワをよせて、難しそうな顔して。




宮「みるく、何見てるの？」

「雑誌だよー…」

長「元気なくない？」

「んー…」

藤「みるくーー！！」

「ぴのー…」

阿「体調でも悪いのか？」

「んーん。へーきだよ…」





みんなの質問に答え終わると、
また雑誌と睨めっこ開始。


さりげなくAの隣に行って、雑誌をのぞいてみると、

“恋愛相談コーナー”
と書かれたページ。


食い入るように見ているAを見て、
思わず吹き出した。




「なに？」

『や、だってさ、お前…笑』

「むぅ…さかもとのせいだよ。さかもとが変なこと言うから気になってるの』

内「勇人のせい？」

「うん。あのね、この前さかもとが、」

『あーーーっ言わんでええ！！』



手でAの口を塞いで廊下に連れ出す。

壁に押し付けると、ぐっと顔を近づけた。



『お前、いらんこと言うな』

「なんで？さかもとのせいじゃん」

『そうかもしれんけど、みんなに言う必要はないやろが』

「どーして？」




どーしてって…

それをみんなに言ったら、
恋を教えてやろうと、みんなAと付き合おうとするに決まってるもん。


ただでさえピンチやんに、
これ以上Aに他の男を近づけたくない。


…独占欲強すぎやろ、俺





「んー。やっぱ気になる」

『はっ？！ちょ、あかん！』





Aはするりと俺の壁ドンから抜け出すと、
ロッカールームの扉をガチャリと開けた。









「ねぇみんな

恋ってなにか教えて！」







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