* いちごみるく * 2 (ページ34)

今日:13 hit、昨日:2 hit、合計:268,827 hit

75。You*side ページ34

.

坂「…でさ、」

『んゅ？』

坂「…付き合うっての、やっぱナシにしよか」

そっぽむいて小さな声で言ったさかもと。

なんでナシにするのかはわかんないけど、とりあえず頷いておいた。

さかもとはちょっとだけ寂しそうな顔をして、
ため息をつく。

坂「…ちょっとくらいグズれや…」

『え、なんて？』

坂「なんも」

突然、顎を掴まれたかと思うと、
いきおいよく唇を重ねてきた。

いきなりすぎて、息つぎのたいみんぐが合わない。

さかもとが私と違って“男の子"で、
私ときすするとドキドキする

とか言ってきたから、

意識しちゃって、変なきぶん。

やっと唇が離されたかとおもえば、
また重なってくる。

なんだか私も
ドキドキしてきた…

坂「…なあ」

『ん？』

坂「今のキスで俺に恋した？」

『してない』

坂「…あそ」

『うん。バーカ』

坂「生意気やわ、チビ」

だから恋とかよくわかんないんだってば。

恋というものがどんなものなのかも、どうしたら恋できるのかも、
まだぜんぜんわからない。

だけど、これだけは知ってるよ

男の子は女の子に恋して
女の子は男の子に恋するんでしょ？

だから私は

いつかみんなの中の誰かに
恋したりするのかな。

坂「俺さ、ガチで行くから」

『なにを？』

坂「絶対みるくを俺のもんにしたる」

『…うん？』

坂「…いつか俺のこと、大好きやって言わせたるから」

『え、さかもと大好きだよ？』

坂「あーーもう、ちゃうねん意味が！！」

『ふーん』

坂「…好きやで、みるく」

『うん、帰ろ』

坂「流すなや！！笑」

さかもとにせなかを向けて
先を歩きだした。

後ろからは、追いかけてくるさかもとの気配。

ほんとはね、
流してなんかないよ。

ぜーんぶ、ちゃんと聴いてた。

ほんとは…

『…どうしよ…』

心臓がバクバクして
顔が熱くなって

さかもとを見ることができなかっただけなんだ。

どうしてかな。

坂「待てや、こら」

『…はやと、』

ぎゅっとさかもとの服を引っ張って、
私から唇をくっつけた。

離すと、さかもとは私の頭に手を回して
押さえつけるようにきすしてくる。

坂「俺を壊す気か。チビ」

『ふん。さかもとのバカ』

なんとなく、
さかもとときすしたくなっただけだもん。

…そう、なんとなく、だもん。

.