* い ち ご み る く * 2

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片思いのまま付き合ってるってアリなん？

なんかもう、逆に落ち込むんやけど…
A、俺に全然興味ないやん。




「♪」



試合前
人通りの少ない廊下にある、
いつもの自販機に苺オレを買いにきた俺ら。

ガコン、と出てきたパックを渡すと、
すごいご機嫌さんで飲み始めるA。



自販機の横にあるベンチに座って手招きすると、ちょこんと俺の上に乗ってきた。




『…みるく』

「んー？♪」

『好きや』



小さく耳元で言ってみるけど
Aは苺オレを飲みながら、



「さかもと好きー！」



ニコニコ笑顔で言うAには、
俺に対して恋愛感情なんてあらへん。

好きの意味をはき違えてるし、
二人きりで居るんに、意識も全くされてない。


藤浪くん
三年間もよく耐えたな…

思ってたより辛いわ。



どうやったら意識してくれんの？

何したら俺に恋してくれる？


振り向いてほしいんに
どうすることもできへん。







「…なに？」





Aをベンチに押し付けて
昨日俺ん家のソファでしたように被さる。

でもやっぱりAは、危機感すら感じてへん。


きっとこれを、長さんがしても椋丞がしても、
誰がしても抵抗しやんと思う。




この信頼

壊さな先に進めへんよな…？









『…欲しい』


「何を？」

『Aが欲しい』

「…うゅ？」



『Aの全部

俺にちょーだい』





ワケがわからんといった顔をしているAの首筋に口づけして


「んっ！」


紅い跡を残した。



「さ、さかもと…何したの…？」

『大丈夫やから』



Aのユニを脱がして
アンダーシャツも脱がせた。

恥ずかしそうに
腕で隠すAの手を拘束


肌にキスを落としていく。




「やめっ、やめてっさかもと！」



Aの
普段聞かへん、甘い声…



天然で無知で
幼いけど

ちゃんと
18歳の女のコ





「あっ、さかっ…はやとっ！離してっ！」

『嫌や』






なあ
どこまで信用してんの？


俺のこと
怖いとか思わん？






『わかる？

俺とAは違うねん。


俺は男で、Aは女… 』






“性別がちゃうって、こういうことやねん”







泣けよ。叫べよ。

助けてって喚けよ。




なんでそんな

そんな目で俺を見るん…？




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