* い ち ご み る く * 2

59。 F*side ページ17

藤浪*side





“晋太郎、ばいばい”



そんな最後の言葉が忘れられなかった。

俺に背中を向けて、遠ざかっていく君。
斜めに掛けたバットのケース。
そのケースからぶらさがった、野球部の帽子…


君は俺を同級生としか思ってなかったのかな。
きっとそうやろうけど

俺にとっては特別な人やったから。


永遠の別れじゃないよな？

俺は阪神、君は巨人
チームは違っても、同じ世界に居る仲間やろ？


次、顔を合わせた時には
今度こそ、ちゃんと惚れさせるから

俺のこと
忘れたりせんといてな_______









_________あれから約半年、

こんな形で再会することになるとは思ってなかった。


もちろんAの情報はじゃんじゃん入ってきたし、遠目にやったら何度も見ていたけど。

対戦する機会もないまま、今日まできた。



「いーちご♪みーるく♪いーちご♪」


なんか機嫌いいし。やっぱり可愛いし？笑

学生時代、俺によくくれた棒飴をくわえて
足をパタパタさせている。



能「で？二人はまたくっついたりするの？」


能見さんのその言葉に、瞬時に反応した人が……
何人やねん。

先輩たちの、すっげー殺気のこもった目…ね？笑



『…どうでしょうね笑』



先輩、目が怖いって笑
鳥谷さんも剛さんも狙ってる感じやん笑

ジャイアンツの先輩は、初めて話す人ばかりでどんな人かは知らんけど
Aのことが大好きなんやなってのはよくわかる笑



長「藤浪くん。俺、長野久義。よろしくな」

内「内海哲也でーっす！」

阿「阿部慎之助。よろしく」

藤「藤村大介です！」

宮「…宮國椋丞です」

坂「俺、坂本勇人。仲良くしよなー」


「あ、さかもとは腹ぐろいから気をつけてね」

坂「誰が腹黒やねん！笑」



これがメロンみるくの喧嘩か…
生で初めて見た笑

阿部さんが止めに入ってるけど、全然止まる気配が無い。


Aと仲良くて、ちょっと坂本さんに妬くんやけど。



鳥「おい勇人。みるくよこせ」

「わっ鳥ちゃん」

坂「あー鳥谷さん、あかん！！」

西「俺も混ぜろ！」

鳥「剛、どこ触ってんだよ！」

坂「みるくこっちおいで！」

内「楽しそう！俺も！！」

能「暴れるなー笑」

西「しんたろーーう！！」

『えっ笑』

鳥「お前も来い！」

『ちょっ、』

坂「はよせーい！」

「晋太郎ー助けてー」

阿「お前ら、いい加減にしろって笑」






俺も先輩たちに負けんように頑張ろっと。

恋も、野球も。



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