可愛らしい虎はペテン師の様で (ページ11)

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HS「ヌナ！」

大きな歓声の中はっきり聞こえてきた声。突然現れたホシ君にはオンニ達も気づき、いつの間にか全員の視線が私と私に駆け寄ってきたホシ君に集まった。

心なしか、歓声が更に大きくなった気がする。

「ホシ君、どうしたの急に」

HS「いやーヌナの名前を呼ぶ声が聞こえて、

なんとなくで来ちゃいました」

「あーもしかして隣空いてるよみたいな？」

HS「ネ、」

少し照れた様子で頭を掻きながらそう言うホシ君。ホシ君の髪は黒髪だけれども、かなり傷んでいるようで何本かの髪の毛がふんわりと浮いていた。

背伸びをして頭を撫でると静電気で更に髪の毛が浮く、それでもなおホシ君は照れたように俯いていた。

DN「ホシヒョン急に走らないでくださいよ！」

SG「おまけにボムヌナから頭撫でてもらえて、むかつく」

落ち着いて来たように思えた歓声がまた上がった。二人が来るとホシ君は顔を上げお兄ちゃんの顔をする。

でも、私に向けた笑顔は照れたような甘いもので。

好意を向けられてるのは薄々気づいていた。そして、それに惹かれている私がいるのも。

「ほら、もう少しで始まるよ！自分達の所戻って」

HS「ヌナ、そんなこと言わないでくださいよー」

DN「ヒョン行きますよ！ヌナ困ってる」

最後の最後まで、何のしにきたのか分からないホシ君だけれども少なくとも、それで私の気分が高まったのは分かった。