Underground the World.

Snowdin.10 ページ17

＿＿


｢ニョーホーホー……。
俺様はお前達のようなか弱き者すら止められないのだ……｣

霧が晴れる。
これもモンスターの持つ"魔法"とやらが関係しているのかとぼんやり思った。

｢友達になろうよ｣
｢ホントか？！俺様と友達に、なりたいのか？？？｣

相変わらずの無表情のFriskだが、それは厭な無表情ではなかった。Friskの言葉にすぐさま反応を示すPapyrus。

｢そうか……それなら俺様もお前のことを受け入れてやろう！
ワーオ！！初デートもまだなのに……もう友達の域まで達してしまったのか！！｣
｢いやどういう基準？｣

ツッコミどころが満載である。Friskは満更でもない笑みを浮かべているのを見ると特にそういうのは気にしていないのだろう。

｢heh…流石だぜmy bro｣

Snowdin、キャラ濃い人多すぎ。何だ？此処ってこんなに面白い所なのか？永遠にSnowdinで暮らしたい。いや別に、謝罪旅のことを忘れた訳ではない。

｢さらに、地上への道も教えてやろう。
洞窟の終わりにたどり着くまで進み続けるのだ。
そして……首都に到着したら、"結界"を通るのだ｣

少し待て、さらりと大事な話をしないでくれ。地上に出ることは可能なのか？
私はこの世界が、別世界の誰かによってプログラミングされた"ゲーム"ということを知っている。ソウルレスの今は違うが、前までの時間軸(タイムライン)では確かに私は"A"という名の主人公で、SansやPapyrus達は所謂"NPC"──"Non-Player Character"だった。

そもそも｢誰も殺さない｣道があるということを最近初めて知った私だ。地上に出る事が可能だということも、私は｢知らなかった｣のだろう。
新たな知識として……と言うか、Friskは地上に出ることが目的なのだろうか。不慮の事故か何かでこの地下世界に落ちてしまった……とか。

｢結界に入るのは簡単だが、決して出ることはできない……ただし、強いソウルを持つ者だけは例外だ。
そう、お前のような！！
だから王様は人間のソウルを欲しがっているのだ。
彼はソウルの力で結界を破ろうとしている。そうすれば俺様たちモンスターも地上に帰ることができる！｣

なるほど、モンスターはこの地下に囚われていたと言っても過言ではないのか。
……そう言えば、Sansがいつかに言っていた。
『見ろよ。俺はとっくの昔に戻るのを諦めたんだ。
それに地上に出る事にも、もはや何の魅力も感じんな。
仮に俺達が地上に出たとしても……何の記憶も残らず結局ここに戻されちまうんだろ？』

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