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「はっ……?」

飛び起きて、最初に目に入るのは黒い壁、黒い天井。

ここは、どこだ。

起き上がろうとした俺に、誰かが叫んだ。

「まだ起きないで!」

若干まだぼやけている視界に、紫色の瞳の女性が映る。誰、だろう。

そこで気がついた。

俺は、誰だ?

「ね、俺って誰?」

その言葉を分かっていたかのように、女性は微笑んで言った。

「貴方は、知らないんですよ。」

それは知ってる。だから、貴方に聞いたんだけど。

その言葉を飲み込んで、もう一度聞いた。

「じゃあ、貴方は俺が誰か知ってる?」

「知らない」

即答。知らないならしょうがないな。



この時、自分の状況がとてつもなく危険だと分かっていなかった俺は、ばかだ。

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作者名:ちゃんかな | 作成日時:2016年7月13日 18時

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