チャンピオンロード (ページ10)

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第10話【chikuwa side】ページ10

コンビニに到着して、マサイの飲み物と適当に食べれる物を選ぶ。
シルクは何が好きなのかと一人悩んでいたら、突然声を掛けられた。

「あのー…」

『……ん？』

「マサイさん…ですか？」

視聴者さんかな。
でもすいません、僕マサイじゃないです。

『えっと…マサイは僕の弟で…』

「あっ！チクワさん！？すいません、本当にそっくりなんですね」

双子ですからね。そりゃあね。
この反応も慣れたもんです。

「あの、もしお時間大丈夫でしたらお写真良いですか？」

『…寧ろ俺でいいんですか？』

「大丈夫です！あ、でも、眼鏡だけ外して頂いてもいいですか？」

その一言で全てを察した自分が居た。
同時に何かに貫かれたようなショックとその反動の脱力感。

「ありがとうございます！すいません、お忙しいのに」

『…いえ』

「では、失礼します！」

礼儀が良くて、いい子なんだろうな、本当は。
でも君はきっとその写真を「勝手にマサイとして」上げるんだよね。

『ただいま。アイス買った』

ｼﾙｸ「お、サンキュ」

『バレなかった？』

ｼﾙｸ「ん？あぁ、視聴者さん？全然」

『そ、ならいいけど』

仕方ないって割り切るしかないのかな。
俺はマサイには勝てないから。