チャンピオンロード (ページ6)

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第6話【silk side】ページ6

Aが休みと言っていた日、前日外撮影で動き回ったンダホは疲労と睡魔で帰れないと俺の家に泊まっていた。
このまま寝かせてあげたいけど動画も撮りたい。
折角双子が揃ってんだから、やる事っつったら大体決まってるだろ。

ｼﾙｸ「今日はンダホ君に双子入れ替わりドッキリをしたいと思います」

双子にしか出来ないこのドッキリ。
長年の付き合いで流石に分かる二人の違いも、寝起きなら絶対気付かないだろ。
という事でマサイはAの眼鏡を装着して、Aはマサイと同じように髪をセットした。
思わず笑う程そっくりな二人。当たり前だけど。

『どうも、マサイでーす』

ﾏｻｲ「チクワです」

ｼﾙｸ「マジで似てんな、これいけるぞ」

『本当に？』

ﾏｻｲ「マサイが風邪引いたらちぃが動画に出たら完璧じゃね？」

『やだよ』

ｼﾙｸ「まぁ、とりあえず、寝てるンダホ君起こしに行きましょうか」

隣の寝室に行くと腹を出して寝ているカビゴン。
横たわると尚の事デケェこいつ。
手始めにAに呼び掛けてもらう。

『ンダホ、撮影するよ』

喋り方、トーン、流石と言う程マサイに化けるA。
しかし、ンダホは起きない。
次は頬を叩いて呼び掛けると寝返りを打った。
全く起きる気配の無いンダホにお手上げだとAは後ろへ下がり、仕方なくジェットホーンを持ち出す。
カウントダウンをして思いっ切り鳴らすと、盛大にビクつき目もパッチリ開いてカメラを確認すると一気に不機嫌そうな顔になった。

ﾝﾀﾞﾎ「良くないよそういうの」

ｼﾙｸ「撮影するよ」

『今日お前の企画だろ』

ﾝﾀﾞﾎ「うん…」

さらりとAが会話に混ざったが、何も疑う様子もなくマサイと思って接している。
やっと体を起こしリビングに来て、撮影開始かと思った矢先に外で待機していた仕掛け人その２のマサイがインターホンを押す。

ｼﾙｸ「あれ、ちぃが来た」

ﾝﾀﾞﾎ「ちぃちゃん？」

『ちぃ、今日休みだって』

ﾝﾀﾞﾎ「そうなんだ…じゃあちぃちゃんも入れよう」

しっかりAの顔を見たけど気付かず。
ちぃは既にお前の隣に居るんだよ、あれはマサイ。
笑いを堪えながら玄関にマサイを迎えに行く。