チャンピオンロード (ページ38)

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第38話【motoki side】ページ38

シルクの家に向かう準備をしてたら、いきなりちぃちゃんがやって来た。
今から撮影だって連絡来たのにわざわざ俺ん家に来るなんてどうしたのかなって思ったら、マサイと喧嘩したんだって。
イライラしたマサイに怒られて落ち込んでるみたい。

ﾓﾄｷ「ちぃちゃん？撮影行かないの？」

『行かない』

ﾓﾄｷ「俺ん家居ても良いけど…何も無いよ？」

『いい』

別に置いていくのも良いけど、構ってくれオーラ出てんだよなぁ。
これじゃあ気になって撮影どころじゃないな。
シルクに遅れると連絡して、ちぃちゃんと向かい合わせで座った。

ﾓﾄｷ「で、今日は何で喧嘩したの？」

『………』

黙ったままのちぃちゃんの顔を覗き込むと泣きそうになっていた。
そこまで酷い喧嘩だったの？
この様子じゃマサイの方も心配だな。

ﾓﾄｷ「ちぃちゃん？」

『…俺の家にさ』

ﾓﾄｷ「うん？」

『最近、俺ん家に視聴者さんみたいな人が来るようになっちゃって』

ﾓﾄｷ「バレたの？」

『跡付けられてたみたいで』

ﾓﾄｷ「うん」

『毎日、インターホン押して｢マサイ君｣って』

またマサイと間違えられてるのか。
傍また意図的なのか。
どっちにしろ迷惑な話だね。
だから最近マサイの家に居たんだね。

ﾓﾄｷ「それはマサイに言ったの？」

『言ってない』

ﾓﾄｷ「何で？」

『マサイに言ったらどうにかしようとするでしょ』

ﾓﾄｷ「当たり前じゃん」

『マサイ忙しいし…相手は視聴者さんだし』

要するにマサイに迷惑掛けたくないし、視聴者さんも傷付けたくないと。
優しいね、ちぃちゃんは。
でも状況が違うよ。
幾ら俺達を応援してくれてる視聴者さんでも、駄目な事は駄目って言わなきゃ。

ﾓﾄｷ「ちぃちゃん、それは言ってもいい事だよ」

『……』

ﾓﾄｷ「シルクやマサイも同じ目に合ってたの知ってるでしょ？」

『でも、』

ﾓﾄｷ「でもじゃないの。それは駄目ってハッキリ言わなきゃ。視聴者さんでもね」

『どうしたらいい…？』

ﾓﾄｷ「直接、て言いたいけど。シルクに相談してみようか」