チャンピオンロード (ページ4)

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第4話【silk side】ページ4

夜、20時には編集も余裕で間に合って今日の動画を上げた。
やっぱ皆気になってただけあってコメント欄もSNSも盛り上がってる。
かっこいい、マサイにそっくり、喋り方まで似てる、今後が楽しみ…ふむふむ。

ﾝﾀﾞﾎ「シルク、ダーマ来たよ」

ｼﾙｸ「お、マジか」

今日の撮影はもう無いけど、最近遊べてないし、時間があるからと言って仕事終わりに来てくれたダーマ。
暑そうに眉間に皺を寄せてやって来た。

ｼﾙｸ「外暑い？」

ﾀﾞｰﾏ「あっつい」

ｼﾙｸ「冷凍庫にアイスあるよ」

ﾀﾞｰﾏ「貰うわ」

もう夏だもんな。
ランニングしてると蝉鳴いてんの聞こえるし、入道雲見ると今年は何やろうってワクワクする。
水遊びに花火に心スポ巡り、Fischer'sの恒例行事に加えて新たに何か出来れば良いな。
そんな事を考えながら次の動画を編集し始めていたら、ゲームのローディング画面で退屈していたダーマが声を掛けてきた。

ﾀﾞｰﾏ「そういやAも動画出んの？」

ｼﾙｸ「あぁ、観た？今日のやつ」

ﾀﾞｰﾏ「Twitterでマサイが何か話してた」

Aとはチクワの本名。
チクワってのは表に出る時だけの名前だから、カメラが回ってなかったりすると大体本名で呼ぶ事が多い。

ﾀﾞｰﾏ「マサイ居るかな、マサイん家のゲームやりに行こうぜ」

ｼﾙｸ「今Aも居るだろ？」

ﾀﾞｰﾏ「また泊まってんのあいつ」

ｼﾙｸ「放っときゃずっと仕事してるもん。パソコン触るの好き過ぎて」

ﾀﾞｰﾏ「尊敬する～」

今日の撮影後、先に帰っていたマサイに連絡が取れて早速ダーマとンダホ引き連れて行ったんだけど、玄関開けた途端に聞こえる声にンダホが「あっ」とリビングへ駆けて行った。

ﾏｻｲ「だからここは字幕白だって、BGMもこれじゃ駄目だろ」

『白だったら右側にちょっと被るから駄目、BGMはゆったり感出す為にこれでいいの』

ﾏｻｲ「でも背景暗いし色出すと変じゃね？」

『変じゃない、好きにやらせるって言ったじゃん』

ﾝﾀﾞﾎ「何ケンカしてんの！」

ﾏｻｲ「あ、いらっしゃい」

『いらっしゃい』

まーた喧嘩してるよこの二人。
本人達に言わせると喧嘩では無いらしいけど、ただの言い合いでも周りから見れば喧嘩だ。
喧嘩するほど何とやら。