192）胸の奥 ページ46
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「じゃあ、行ってくるね。ありがとう。」
過保護なチャンミンくんが、会場のホテルまで車で送ってくれた。
「飲みすぎないでください。」
「うん、わかったよ。」
車の中で繋いだ手を離してくれなくて、なかなか降りられない。
男に気をつけろだの、2人きりで話すなだの、いろいろ言われたけど
やっとのことで手を引きはがし、会場に入ることができた。
入り側、車の中のチャンミンくんに手を振ると、無愛想で不満そうだけど、
手を振り返してくれるチャンミンくんに、つい笑いそうになってしまった。
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「久しぶりー！！」
大学を卒業してから、付き合いがあった友だちもいれば
卒業してから会えてなかった友だちもいて、久しぶりの話は尽きなかった。
自然と思い出話に花が咲いて、すぐに当時の大学生の気分に戻る、そんな感覚
公園でした花火、深夜の大学に忍び込んで肝試ししたこと
友だちの家にみんなで泊まって朝まで騒いだこと
当時の恋愛話まで、今は全て思い出として語ることができる
次第に話題は、結婚、出産の話に。
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「え！Aの彼氏、韓国人なの？」
「言葉に困ったりしないの？」
「うん。彼が日本語ペラペラだから。」
「でも、このまま結婚ってなったら、国際結婚だよね？」
「ご両親に挨拶とかどうするの？」
「名字って....韓国の名前になるの？」
チャンミンくんが日本語を話せるから、今までそんなことを気にすることがなくて
みんなに質問攻めにされて、“確かに”と、思うことがたくさんだった。
そもそも、チャンミンくんは、私との将来をどれくらい考えてくれているんだろう。
韓国のことは知らないことが多くて
考えてみると、いつも過保護すぎるくらいに甘えさせてもらって
チャンミンくんのことも、知らないことが多い。
そんな私が、チャンミンくんとの将来を考えてもいいの......？
何故だか、この時、少し胸の奥にモヤっとしたものが溜まったような気がした。
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作者名：ちゃむ | 作成日時：2020年10月29日 19時
