40）名前-cm ページ40
.
予想以上に、へこんでいる自分がいる。
俺の知らない人の名前を呟いて
たとえ別れているにしても、その人を思い
涙を流していたのかと思うと......へこむ.....
それに、俺が歌ったから.......
あの時、あれを歌わなければ......
Aさんは何かを思い出すことなく
泣かなくてすんだんじゃ.....
自惚れかもしれないけど、自分がきっかけで今の状況を作り出しているとしたら.....
情けなくて......悔しくて......
繋いでいる手が、申し訳なくて......
離そうとしたときだった
.
「.....くん.....チャンミンくん.........」
.
Aさんが、俺の名前を呼んだ。
聞き間違いじゃない、はっきりと。
「聞こえましたか？」
「お客さん、何が？」
思わず、運転手に話しかけた、確かな証拠が欲しくて
「彼女...俺の名前を呼んだんです。聞こえませんでしたか？」
「あ〜こっちには、聞こえないよ。でも、寝てるのにお客さんの名前呼ぶなんて、愛されてるね〜」
簡単だった。
自分の心を温め直すこと。
自分の心を冷たく、切なくできるのもAさんだけど
自分の心を、温かく、優しくできるのもAさんなこと
Aさんに気づかされる。
Aさんがどうして泣いたのか
Aさんがどうして元彼の名前を呼んだのか
そして、どうして俺の名前を呼んだのか。
本当は聞いてみたいけど、それはしない
俺の名前を呼んでくれた....それで十分だから
呼んでくれたということは....
少しでもAさんの頭の中に、俺がいる、ということだから.....
「お客さん、もうすぐ着くよ。」
「あ、はい、起こします。」
やっと、ちゃんと見れた左側
ずっと、このままこうしていたい。
繋いだ手に、そっとキスをして
気持ちよさそうに寝ているAさんを、起こすことにした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 234人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃむ | 作成日時：2020年8月29日 16時
