28）チャラチャラ男-cm ページ28
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俺は今、無性に腹が立っている。
何故かは、自分ではわかっている。
さっきから、エレベーターホールで
Aさんと、背の高い男の人が
仲良さそうに話しているから。
さっきまでは知実さんもいて、Aさんも戻ってきたと思ったのに
Aさんだけは、また、あのチャラチャラした人のところに戻って....
それに、京都のお土産
渡すくらいの仲だってことですか....
チャラチャラ男が、Aさんの頭に触れて、ポンポンとする。
無愛想な顔に、さらに拍車がかかっていたらしい。
「チャンミンくん、この後の商談、難しくなりそうなの...？」
検討違いなことを、知実さんに言われた。
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「行ってきます。」
デスクのみんなに、伝えると
「誰にでも失敗はあるからね。大丈夫だよ。」
後ろから聞こえる。
だから、違うんだって......
今から、エレベーターに乗らなければならない
ということは、あそこの二人のところに
必然的に行かなければならないということ
気になるけど、気にしてない風に
して行かなきゃいけない
それが、無愛想に拍車がかかっている理由
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Aさんは、俺が近づいても気づかない。
目の前のチャラチャラ男だけを見ている。
だから、せめてものアピール
「Aさん、俺、外回り行ってきます」
声をかけると、驚いたようで...
そして、チャラチャラ男に俺を紹介して
俺にチャラチャラ男の紹介をした。
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『ユノくん』
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他の先輩は、みんな、さん付けなのに
なぜ、この人だけ、「くん」なんだ。
「じゃあ、ユノくん、チャンミンくん、私も仕事に戻るね〜」
Aさん、あなたがチャラチャラ男から離れたことは嬉しいけど
Aさん、今は行っちゃダメだ....
この....チャラチャラ男と二人きり
どうすれば................
ちらっと、横を見ると『ユノくん』と呼ばれる人は、俺を見てニヤッと笑った。
『チャンミンくんだっけ？下、行くの？俺も下。』
自然と韓国語で話してくれた。
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作者名：ちゃむ | 作成日時：2020年8月29日 16時
