26）久しぶりな人 ページ26
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「昨日、出張終えて、今日の夜は歓迎会ってハードだね。」
「確かに。でも楽しい疲れだから、大丈夫。」
「楽しかった....って、何あったの！！チャンミンくんと。」
何あったの.....って。
荷物をスマートに持ってくれて
月をいっしょに見ようと誘われ
髪の毛についた葉っぱを取ってくれて
私の行きたいところを調べてくれてて
金閣寺で近すぎる写真を撮って
お互い寄りかかりながら新幹線で寝て
最後に、ハンカチをもらった
それに、毎回、毎回
意地悪っぽく笑うチャンミンくんにドキドキした
なんて、まだ知実にも言えない。
「何もないよ！あ、京都、今度は冬に行ってみたいな。」
「なーんだ。」
期待外れ、と、知実は笑った。
ランチを終え、営業部のフロアに着くと
久しぶりな人に、久しぶりに会った。
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「お、A！久しぶり！」
「ユノくん！久しぶりだね！何してるの？」
「ちょっと、古川に用事があって。」
私がユノくんと呼ぶ、一つ上の広報部の先輩
他の先輩は、さん付けなのに
ユノくんだけは、くん付けなのは
大学時代からの名残。
同じ大学、サークルで、可愛がってもらっていた。
縁あって、同じ会社。
相変わらず、可愛がってもらってる。
「あ！ユノくん、まだ時間ある？京都のお土産買ってきたの！」
「A、ユノさん、私先に行くねー！」
知実は自分のデスクへ
私も一度デスクに戻り、再びユノくんのところへ
「これ。ユノくんにぴったりだと思って。」
戻って、差し出したのは、『愛のちかい』という結婚お守り。
「京都に出張だったの？ありがとう。亜衣も喜ぶよ。」
「うん、亜衣ちゃんにも渡して。」
ユノくんは、大学時代から付き合っている彼女がいて
その彼女もサークルの先輩
大好きな亜衣ちゃん
時間はかかったけど
二人は今、婚約中、いずれ結婚する。
亜衣ちゃんを思い出して、優しく笑うユノくんを見て
心が温かくなった。
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作者名：ちゃむ | 作成日時：2020年8月29日 16時
