《番外》SEVENTEENになるはずの紅一点 (ページ7)

今日:22 hit、昨日:7 hit、合計:42,050 hit

. ページ7

えっ、と声に出したのはひとりじゃなかった。その声にはちょっとの歓喜と戸惑いと、それから不安も含まれている。

「ヒョン、どういうことなんでしょうか」
「Aさんは女子クラスの人ですよね？」
「ボーイズグループじゃなかったんですか！？」
「どうやって練習していけば…」

ざわつくメンバーを見てスタッフさんはため息をつくと、上の決めたことだからどうにもできない、仲良くやってくれ、と言い残して扉の向こうに消えていった。残された僕たちはどうしたらいいのだろう。

Aは外国人講座で一緒に授業を受けている子だし、話したことも食堂でご飯を食べたこともある。このメンバーの中では1番付き合いがある方じゃないかな、と勝手に思っているけれど、多分それは正解だろう。

お互い外国人同士だけど、彼女は韓国語が上手だし少しだけ中国語も話せるから、一緒にいて楽な人だ。変に女の子らしくない、サバサバした子だから構えずに話せるし。多分韓国で女の子と話したのはスタッフさんを除けばあの子が1番多いと思う。

女子チームの中では目立つ存在で、でも変な目立ち方ではなく、みんなの憧れだった。
それくらい歌もダンスも上手くて、次のデビューグループができたら絶対に入ると言われていた。模範練習生というか、スタッフさんたちの評価も高く、面倒見もいい。

そんな子がどうしてこっちに？

不安も少しあるけど、ちょっと楽しみだなあと思っていたのが隣の子には伝わってしまったみたい。

「Aって、僕たちが知ってるあの子だよね？」
「そうだと思う」
「楽しみだね、ヒョン」
「うん」

僕も楽しみだな、と笑うミンミンは同い年の彼女が入ってくることを本当に心待ちにしているみたいだ。
もう97年生まれはこの子のほかに2人いるから、あの子が入ってくれば僕たち96年生まれと同じ4人になる。彼女もきっと同い年がいるのといないのとでは気持ちの持ちようも違うだろう。

人見知りなあの子のことを僕たちで助けてあげなきゃ。次の授業で会うときが楽しみだな。