《番外》SEVENTEENになるはずの紅一点 (ページ3)

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代表の口から出てきたのは、衝撃的な言葉だった。頭を鈍器で殴られたような感覚がして一瞬ふらつく。なんとか保って出した声は、自分が思っていたよりも震えていた。

「なんで、私なんですか。女子チームで練習してきたんです、3年以上、ご、ご存知じゃないですか」
「君はこの間の評価を忘れたわけじゃないだろう。1番低かったのは君だ」
「……使い勝手がいいのが私だってことですか」
「受け取り方は君の勝手だよ」

詳しいことは後から連絡するから、わかったら帰りなさい、と代表の口から出た言葉は、酷く温度が低かった。なんの温もりも感じない。

いわば私はあの人の実験体だ。退所勧告の代わりに、辞めてもいいような、この先どうなってもいいのが私だった。
入れてみて無理そうだったら捨てる。そういうことだと思う。
私がダメだったら次の女の子を入れるのだろうか。あの子たちにそんなことはさせたくない。最初が私でよかったのかもしれない。

事務所側が何を考えているのか、この時ばかりはさっぱりわからなかった。

あれは次にデビューするはずの『ボーイズ』グループのプロジェクトだ。混合グループなんて話はなかった。
何でボーイズが2連続なんだと女子チームの面々は軒並み腹を立てていたものの、男の子の方には私と同じ時期に入った人がまだ何人か残っていたので、まあ順当に行けばそっちかなと思っていた。

でも、そこに女の私を入れるなんて意味がわからない。よほど売る気がないのか、はたまた成功する自信しかないのか、そのどちらかだ。

「オンニ！あのプロジェクトは次のデビューグループだよ！おめでとう！」

代表室の前で待っていたチョンヒョニに話すと、彼女はまるでデビューが決まったかのように喜んでくれた。

「…私は、知らない男の子たちより、みんなでデビューしたかった」

何も言わず、ただ私を抱いて背中をさする彼女は、私より３つも年下なのに大人だ。自分だってデビューしたいはずなのに。
『代表のお気に入り』なんて言われることもある彼女だけど、実際ここの事務所への信頼はほぼゼロに等しかった。

まだ地獄は終わらないと。そう言われた気がした。