《番外》SEVENTEENになるはずの紅一点 (ページ18)

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でもね、周りから見てる僕からするとね。
力になりたいって、少しでも仲良くなりたいって、思うんだ。寂しく思っているのはきっと僕だけじゃないと思う。もっと話して、一緒に練習もして、そうしたら自ずと足りないものが見えてくるはずだ。何が食い違っているのかわかるはずなんだ。

今日の練習を終えてストレッチをしていた僕たちには目もくれず、荷物を持って部屋を出て行こうとするヌナに気付いてしまった。その手にあの練習室の鍵が握られていることにも。

「ヌナ！」

閉まる扉にどうしても我慢できなくて、飛び出して思わずそう声をかけるとヌナはビクッと肩を揺らした。
ちょっと、いやかなり僕の声が大きかったのが原因かもしれない。ごめんなさい。

「ヌナ、これからあっちの練習室行くんですよね？」
「う、うん」
「僕も…僕も行ってもいいですか？」

断られるかもしれない。だって今までヌナの練習についていった人はいなかったから。
仲が良いらしいジュニヒョンやミンミンヒョンは2人とも揃って「そっとしておこう」なんて言っていて、ついていくことはなかったから。やりたいことをやらせてあげたい、らしい。

そういう態度は大人なのかなぁって、僕みたいな子供とは違うのかなぁって、そう考えて、ちょっと悲しくなってしまう。僕だって、そんな姿を見せられたら良かったんだろうね。気を遣ってそっとしておくような、そんな「オトナ」だったらよかったんだよ。

でも僕にはそんなふうに待ってることはできない。僕にできることがあるならやりたい。困っているのなら力になりたい。
だって、僕の初めてのヌナなんだから！

ダメだって言われたらどうしようと考えていたのに、ヌナはあっさりと口にした。

「来てくれるの？」
「えっあっ…はい！」
「ありがとう」

じゃあ一緒に行こう、と言ってヌナは笑った。
小さく、でも確かに笑ってた。

さっきまでヘトヘトだったけど、ヌナとの秘密の特訓に何故だか胸が躍る。
僕がヌナのダンスをもっと良くしてみせるから。
それで、ヒョンたちをびっくりさせてやるんだ。