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高校の入学式の話 ページ15

DK side


事務所のガラス窓に写る制服に身を包んだ自分はなんだか見慣れない。


入学式の日くらい車だしてやる、と昨日の練習終わりにスタッフさんに言われて事務所に来てみたものの、早く着きすぎてしまったらしい。
今朝はやけに早く起きた。遠足前の小学生みたいでちょっと恥ずかしかったものの、起きたからには黙々と準備した。してしまった。

それはそうと、今日入学式の子がもう1人いるらしく、その子も一緒に車に乗っていく話になっていた。
まだ相手は来ていない。誰だろう、俺が知らないってことは女子チームの人?この間入ってきた男子練習生に同い年はいなかったような。

制服が少しだけ照れ臭くて受付の前で縮こまって座っていると、バンといきなり扉が開いた。


「遅くなってすみません!」


肩で息をしながら勢いよく入ってきたのは、あの子だった。


「A…?」
「あっ…おはようございます」
「まだ時間あるし、遅れてないよ」
「よかったぁ…」


俺のその言葉を聞くと、彼女はそのままヘナヘナと座り込んだ。

まだ数回しか一緒に練習していないけど、いつもの彼女はすごく冷静で隙がなくて気難しそうで、こんなふうに狼狽えているところなんて一度も見たことがなくて。

座り込んでいた彼女は俺に見られているのに気が付いたのか、慌てた様子で乱れた髪をなおして、真っ赤になった顔を恥ずかしそうに手でパタパタとあおいでいる。


「ソクミンさんですよね…お恥ずかしいところお見せしてしまってごめんなさい」
「いや、全然!っていうか同い年なんだから、普通に話そうよ」
「う、うん…」


なんで彼女が着ると、こうやってサマになって見えるんだろう。

からし色に包まれている彼女は、自分とは打って変わってキラキラ輝いて見える。ヒョンたちの中にも同じ学校の人が何人かいるけど、こんなに格好良くなかった気がする。着る人によってこんなに違うんだな、と真面目に考えてしまった。


今日一緒に行くのはこの子なんだ。

あとでミンギュとスングァニに言ってやらなきゃ。2人が悔しがる姿が目に浮かぶ。
最初から同じ学校に通うわけじゃないけど、いずれ練習が忙しくなったら俺も彼女と同じ高校に転校することを勧められていた。いつにしよっかな。

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作者名:cham | 作成日時:2022年8月21日 3時

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