ウジとホシのとある会話 ページ13
woozi side
伊達に長いこと練習生やってないんだな、というのが新しく練習に参加したパクAに対して抱いた印象だった。
初めて顔合わせをして、俺たちにも伝わってくるくらい緊張していた彼女だったが、いざ練習が始まるときちんとやることをやってみせた。
今回はダンスだけだったが、後々やることになるであろう歌のレッスンでもきっと上手くやるはずだ。ぎこちなさはあるけど、意思疎通にも問題はない。
「今日のお前、一段と締まりがない顔してるぞ」
俺はこんなにも色々考えているというのに、スニョンイは明後日の方向を見てただぼーっとしている。
「いやだってさぁ…あのパクAだぞ…?」
「それがどうした」
「お前だって知ってるだろ、有名じゃんあの子」
「まあな」
「俺あんなに近くで見たの初めてだったかも。可愛かったよなあ…」
日韓のハーフではあるものの事務所初の日本人練習生で、ルックスも良いしトレーナーたちからの評価も良い。女子練習生の中での知名度はトップクラスだろう。
それくらいに優秀だった。現に加入が伝えられたあと、戸惑いの中で『あのパクAが』と少しだけ浮かれた奴もいた。目の前のスニョンはその1人だったと思う。
だから、俺はどうして彼女がここに放り込まれたのか、その理由がわからないでいた。
このメンバーの中で1番長くこの事務所の練習生をやっている俺よりも前からいる彼女のことは一応知っていた。NU'ESTのメンバーになった5人のヒョンたちとも古い付き合いがあるようで、兄妹みたいに楽しそうにしているのを何度も見たことがある。
あんな顔を見られる日が来るのかは正直何とも言えない。
今ここにはいないスンチョリヒョンやドユニヒョンと話してるのも見たことがあった。
俺は俗に言う「人見知り」なので正直ちゃんと話したことはなかったし、彼女もおそらくは同様の性格だ。
お互い見たことはあるけれどきちんと話したことはない、というのが俺と彼女の関係だった。
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作者名:cham | 作成日時:2022年8月21日 3時