SEVENTEENのプロジェクトに参加することになってしまう話 ゲスト:PRISTIN シヨン ページ1
月末評価が、今までで1番悪かった。
その理由は自分でわかっていた。元々体調は良くなかったし、狂った周期の生理はくるし、日本の祖父は亡くなったし、その葬式にも出られなかった。
事務所に入るとなったとき家族と約束したことがいくつかあった。そのうちのひとつが、デビューするまでは帰らない、ということだった。
何で自分はこんな事務所にと度々思ってはいたが、この時ほど自分を恨んだときはない。
でもこれは、パフォーマンスが充分に出来なかった理由にしてはいけなかった。どんな事情があったにしろその時のベストを出さなければならないのがアイドルだ。
ましてや自分の管理がうまくいっていなかったことを理由にするなんて、練習生の身ではできなかった。それだけのことを強いられていた。
練習生というのはどこもこうなのだろうと思っていたけど、うちはちょっと、側から見るとおかしいようで、やめていく職員の人に「よく何年もここにいられるね」と哀れみの目で見られることもしばしばだった。
3つも年下の妹分も同じ年から練習生をやっているけれど、彼女はあれでいて図太いので、私の前で悪態をつき思い切り泣くことで鬱憤をコントロールしているらしかった。
「君はこの一か月間何をしていたんだ?」
苛立ったように眼鏡を外してため息をついた代表の声が頭にこびりついて離れなかった。一ヶ月、正確に言うと29日なのだけども。
何をしていたかと問われれば、黙々と練習をしていたと答えるしかない。でもそれが当日に見せられなければ意味がない。価値がない。
自分の身体が思うように動かないことにイライラして、どうしようもなく泣きそうになった。
「…オンニ」
「ごめんねチョンヒョニ、私、もう一緒に居られなくなっちゃうかもしれない」
全員の評価が終わるまで身体は凍りついてしまったみたいに動かず、何も考えられなかった。代表の冷たい目、みんなからの心配の目、全部が背中に刺さってきた。
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作者名:cham | 作成日時:2022年8月21日 3時