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飲み会の話 ページ48

[SVT CLUB]Preview:最近の飲み会現場(先行公開)



改めて考えてみると、日本の居酒屋さん、それもこうして小さいお店に入ったのは初めてかもしれない。
焼肉だのお寿司だので膨れたお腹をさすりながら、もらったおしぼりで手を拭く。


「A、なにこれ」
「う〜ん…なんだろう、でもここに書いてあるのは全部焼き鳥だと思う」
「もう今日は選ばないで頼んでみよ」
「とりあえず酒飲もう」


日本語で書かれているメニューを開いてみても、当然オッパたちは読めるわけもなく。
かろうじてわかる平仮名とジュニオッパの漢字で解読を試みている。

わたしもそこまで漢字に強いわけじゃないし、読めるわけでもないからなあ……。

きっとどれも美味しいんだろう、と思って料理をいくつか店員さんに伝えると、日本語お上手なんですね〜と言われてしまった。ちょっぴり恥ずかしい。お仕事中の店員さんを捕まえてまで、わたし実は日本人で、とも言えないし…。


あの2人はいつくるのかな、と思っていると、ちょうどお店の扉がガラガラと音を立てた。


「ヨ〜〜ヒサシブリ〜〜」
「お、来た」
「2人ともなに飲む?」


ソクミニとミンギュは今日なにをしに行ってたんだっけ。
隣に座ったソクミニはわたしのジョッキに入ったお酒が気になるようで。


「なに飲んでるのA」
「ハイボール、飲む?」
「美味しい…?」
「美味しい美味しい、飲んで」


はいどうぞ、と半ば強引に押し付ければ、ソクミニは恐る恐る一口飲んだ。
韓国ではハイボールはおろか、ウイスキーだって置いているお店は少ない。
大抵ビールか焼酎だし、それだって日本のものとはちょっと違う。メニュー表にもここまで沢山お酒の種類が書いてあるのも珍しいし。

ジョッキから口を離したソクミニの顔には『美味しくありません』と書いてある。わかる、わかるよ。

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作者名:cham | 作成日時:2021年2月2日 0時

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