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「Aは」
「え〜と〜?」
「毎年ちゃんと言ってくれてたじゃんAは」
「今年はその〜、作業があって?」
「お前らのどこを見たら作業してるように見えるんだよ」


暇つぶしに見ていたパソコンの画面が某有名動画配信サイトのままだったことをすっかり忘れていた。

これは雲行きが怪しくなってきた。ちゃんと弟を見習うべきだったのかもしれないと思って、あの魔法の言葉を口にする。


「あ、愛してるよ〜」


さあこれに懲りて早く練習室に戻ってください。そう思ったのに、オッパは手で口を塞いで、目を丸くしたまま一向に何も言わない。予想外の反応に困惑する。


「お前に愛してるって超久しぶりに言われたかもしれない…」
「嘘だ、いつも言ってますよ…ねえチャナ」
「ヌナ、僕たちには言うけどヒョンには…」
「チャニは言われてるのか!?」
「羨ましいでしょう、ヒョン」
「おっ俺だって今言われたし…?」


なんか、変な方に転がっていった気がする。
確かに言われてみれば、毎年お誕生日の電話の最後に言っているくらいだったかもしれない。…これ、電話したのとそんなに変わらないことになっちゃったんじゃないのかな。


開けっぱなしのドアの前にいるオッパはパチパチと瞬きしたあとに小さい声で、もう一回言って、と呟いた。


「愛の安売りはしません」
「チャニには言うんだろ〜!」
「チャニはチャニだから…」
「ずるくねそんなの」
「ヒョンもやりますか?1日マンネ体験」
「それは嫌だ」


うーん、これ以上拗ねたら面倒くさいかも。それに一応はお誕生日なんだし、たまには…一年分のありったけを込めて言ってあげよう。

幸い彼が持っているハンドカメラはもう明後日の方向を向いていて、こちらは写っていない。


座っていた椅子から飛び降りて腕を広げれば、オッパは恐る恐ると言った様子でわたしを抱きしめた。


「愛してますよ、スニョンイオッパ」


おまけにトントンと背中を叩いてから離すと、オッパはさらに放心状態になっていた。それを見てマンネはため息をつく。


「…これじゃあ意味ないですよヌナ」


どうやら、とっておきのプレゼントになってしまったみたい。
サプライズは色んな意味で失敗に終わるかも。

Getting Closer MV撮影の時の話→←サプライズをする話



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作者名:cham | 作成日時:2021年2月2日 0時

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