捕まる話 ページ33
「なんか、ミンギュの匂いがする」
すれ違ったと思えばズカズカと近づいてきたシュアオッパにフードの頭を握られ、思わず「グェ」と可愛くない声が漏れる。
「急に何ですか、私を殺す気ですか」
「何で君からミンギュの匂いがするの」
はて、「ミンギュの匂い」という表現から連想されるのは私にとっては体臭なのだけど、万が一にも億が一にも私とあの人の体臭が同じ匂いだったらかなりショックだ。
借りた物を渡さなくちゃいけなくてさっき一瞬会ったけど、それだけで私からミンギュの匂いが……？くっついていたわけでも一緒に寝たわけでもなく、ましてやシャンプーも柔軟剤も違う物を使っているはずだし。
というかみんなの体臭がどんなかなんていちいち記憶していない。この人ってそういう趣味あったっけ、と思い浮かべても全く記憶はないのだけど。
「君、何か失礼なこと考えてるでしょ」
「オッパの方が失礼じゃない、私からあの人と同じ体臭がとか……」
「何でそう解釈するかな……僕の言い方が悪かったね、君からミンギュと同じ香りがするって意味。あいつの香水と同じ匂いがするんだよ」
一見するとにこやかに微笑んでいるように見えるけれど、この表情をしている時のお兄さんは相当に機嫌が悪い時であって、これで私が惚けでもすればさらに目が大きく開かれるのだ。
嘘はつかないに限る。
「借りたの、香水。ミンギュの」
カタコトな回答を聞いたオッパははくはくと口を開け閉めしている。まるで「話にならない」とでも言いたげに。
「一応言い訳を聞いておこうか？」
「私何も悪いことしてないのに……」
「何で君がミンギュの香水をつけるわけ？」
「いや、ただミンギュが最近付けてるのいい香りだねって言ったら、貸してあげるって……別に深い意味はないの、断じて。今日返したし」
ミンギュと会ったのは香水を渡すためだった。
分けてあげようかとも言われたけど、そんなに使うとは思えなかったし。彼には似合うのだけど、私がつけていても何だか変な感じがして断った。
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cham(プロフ) - (続き) 誰かの不幸を軽々しく消費したくありません。こればかりは本当に申し訳ないですが書けないです、すみません。 (2022年11月8日 22時) (
レス) id: f5455602b6 (このIDを非表示/違反報告)
cham(プロフ) - 友達だったのに辛くなってしまって〜という旨のマロくださった方、申し訳ありませんが作品の意図と合いませんのでリクエストにはお答えできかねます。すみません🙇🏻 (2022年11月8日 22時) (レス) @page49 id: f5455602b6 (このIDを非表示/違反報告)
cham(プロフ) - akuneさん» コメントありがとうございます！話数が多い中、沢山読んでいただけて嬉しいです。きっかけになれたことも！コメントを頂くことでもっと書こうという気持ちになります。また更新するのをお待ちいただけると幸いです！ (2022年9月27日 18時) (レス) id: f5455602b6 (このIDを非表示/違反報告)
akune(プロフ) - このシリーズを2周してきました。セブチのドリー夢初読みがchamさんのこのシリーズです♡めちゃ好きです。リアリティあってもう14人やろ！という錯覚してしまいます！サイコーです。 (2022年9月18日 8時) (レス) @page32 id: 785498f7f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cham | 作成日時：2022年9月7日 3時
