ウォヌと雨の日の話 ページ24
Wonwoo side
雨降りの日は人並みに好きだと思う。
カラッと晴れた日も好きだけど、少し雲の浮かんだ空も好きだけど、それでも敢えて「好きな天気は」と聞かれれば、今日の俺は雨の日と答えたい。
「お兄さん、何を見てるんです？」
マネヒョンの運転で撮影所に向かう途中、隣の座席に座っていたAが俺に尋ねた。さっきまで眠っていたというのに、いつの間に起きていたんだ。
寝息も立てず、ひょっとするとただ目を瞑っているだけのようにも見えるのだが、本人からすればそれは普通のことらしく。
疲れてる時はこんな感じらしいですね、とスングァニから送られてきたという写真を見せてくれた。ジュニと並んで半目になっている写真を。
あれはあれで少し怖かったから、俺の隣で寝るときはこの静かなモードでいてくれたらなと思う。
「ただ外を眺めてたんだ」
「あれ、やっぱり雨降ってきたんですね。朝からどんよりしてましたけど」
「結構強くなりそうだな」
「ですねぇ」
窓を打ち付ける音はそれなりだ。しとしと、という感じではない。
水滴の向こうには街の明かりが煌めいて見えた。行き交う人々は皆色とりどりの傘をさしていて、ひょっとすると晴れている日より街は艶やかなのでは、とさえ思えてくる。
信号は赤になった。ヒョンがスムーズにブレーキを踏む。
他の奴らはもう撮影所に着いたのだろうか。
各々スケジュールがあったり宿舎にいたりでバラバラに向かうことになったのだが、この雨だと渋滞になって遅れるかもしれない。
俺はこの間の録音で直したい部分があるとボムジュヒョンに呼ばれて、作業終わりの彼女と一緒に来ることになったのだ。
Aはヒョンにあとどのくらいですかと尋ねた。ヒョンはため息混じりに言う。
「まだ結構かかりそうだ、このまま行けば帰宅ラッシュとかち合うぞ」
「わあ大変」
「お前、あとどのくらい寝られるか知るために聞いただろ？」
「違いますよぉ、オッパの運転が大変そうだなぁと思って」
「嘘でもいいからもうちょっと気持ちを込めて言えよな」
ヒョンはホルダーに差していたアメリカーノを飲んでハンドルを握り直した。もうすっかり氷が溶けて、上から下にかけてグラデーションになってきている。
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cham(プロフ) - (続き) 誰かの不幸を軽々しく消費したくありません。こればかりは本当に申し訳ないですが書けないです、すみません。 (2022年11月8日 22時) (
レス) id: f5455602b6 (このIDを非表示/違反報告)
cham(プロフ) - 友達だったのに辛くなってしまって〜という旨のマロくださった方、申し訳ありませんが作品の意図と合いませんのでリクエストにはお答えできかねます。すみません🙇🏻 (2022年11月8日 22時) (レス) @page49 id: f5455602b6 (このIDを非表示/違反報告)
cham(プロフ) - akuneさん» コメントありがとうございます！話数が多い中、沢山読んでいただけて嬉しいです。きっかけになれたことも！コメントを頂くことでもっと書こうという気持ちになります。また更新するのをお待ちいただけると幸いです！ (2022年9月27日 18時) (レス) id: f5455602b6 (このIDを非表示/違反報告)
akune(プロフ) - このシリーズを2周してきました。セブチのドリー夢初読みがchamさんのこのシリーズです♡めちゃ好きです。リアリティあってもう14人やろ！という錯覚してしまいます！サイコーです。 (2022年9月18日 8時) (レス) @page32 id: 785498f7f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cham | 作成日時：2022年9月7日 3時
