一緒に寝る話 ページ28
Jeonghan side
『2人とも、双子みたいだな』
『女の子が2人いるのかと思った』
『綺麗だね、どっちも』
よく言われる言葉だった。
至って普通の長さだった髪を伸ばしてデビューした俺と、たった1人の女の子であるAを見て、人々は口々にそう言った。セットで売られる機会も多かった。
別に嫌だったわけじゃない。むしろ嬉しかった。Aと俺の間にそうやって新しい関係が築かれていくのはいいことだと思った。
Aのことは他の子たちと同様にとても大切だと思っているし、メンバーとしての独占欲も人並みには持ち合わせている俺だから、あの子の隣にいても許される権利を得たような気がしていた。
厳しい立場にいるあの子のそばで、支えてやれる立場にいるのだと。
それでも日が経つにつれて、なんとなく違和感が芽生えてしまった。
本当の俺って、どんなだっけ。
今愛されてるのって、どういう俺なんだっけ。
綺麗でいなきゃいけない、美しくなきゃいけない、だって俺は女の子であるAと双子だって間違われるくらいなんだから。
そう思えば思うほど、食事も食べては吐くようになり、練習生だったころとは一変した環境に身体もついていかず、どんどん溜まるストレスに身体は蝕まれていった。
洗顔のたびに鏡を見て、ため息が抑えられないほど辛くなる日が何日も続いた。
眠ろうとしてもうなされて起きてしまう。ぐっしょりと汗をかいて飛び起きることもあった。
あの日も多分、そういう日だった。
「っは、」
深夜練習を終えてようやく布団に入ったのは2時半。飛び起きて見たスマホに表示された時刻は4時。
何の夢を見ていたか内容はよく覚えていないのに、背中はバケツの水を浴びたかのように汗をかいてしまっていた。もう一度眠ろうと思ったけど、濡れた背中が気持ち悪くて眠れそうにない。替えのTシャツは…洗面所に干したままだ。
同室の子たちを起こさないようにそっと部屋を出て洗面所に取りにいった。
「ジョンハニオッパ？」
「っ……なんだ、Aか」
濡れたシャツを洗濯機に突っ込んで新しいものに着替えていたら、入口からAが顔を出した。
宿舎の水道が壊れたとかなんとかで、たまたま泊まりに来ていたのだった。あの物置みたいになっていた部屋をどうにかして泊まれるようにしたらしいけど、本当にあんなところで寝ていて疲れは取れるのだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 839人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cham(プロフ) - ヒカリさん» ありがとうございます。安心しました。楽しんで読んでいただけたら幸いです。 (2021年2月12日 23時) (
レス) id: ed95449b0c (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ(プロフ) - chamさん» 全然大丈夫ですよ！wwこういうのでなかなか自分の誕生日出てきませんよねww自分が推してるグループにまさか自分の誕生日が出てくるの初めてなのでちょっとびっくりしただけですよ！！なので全然気にしないでください！！ (2021年2月12日 22時) (レス) id: 60a403a386 (このIDを非表示/違反報告)
cham(プロフ) - ヒカリさん» ご気分悪くさせてしまっていたらすみません。 (2021年2月12日 19時) (レス) id: ed95449b0c (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ(プロフ) - 自分の誕生日と一緒でビビりましたww (2021年2月12日 17時) (レス) id: 60a403a386 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cham | 作成日時：2021年1月30日 21時
