ー2 ページ36
2
ステラが立ち上がった瞬間、地面は、カタカタカタ……と、揺れ始めた。
「地震か!?」
「……これは、初期微動かな。みんな、地震が来る!!頭上を注意して伏せて!!」
ノアが大きな声でそう言うと、人々はざわめき出し、一人一人が頭を守って伏せた。
カタカタカタ……と、動いていた地面が止まった。
街の人々は、「よかった」、「そんなに大きくなかった。」と駄べり始めた。
「テメェら何言ってんだ!!まだ地震は来るぞ!!!!」
ステラが言ったそれが合図だったかのように地面は大きく揺れ始めた。
安心を取り戻していた人々の叫び声が聞こえる。人の名前を呼ぶ声、助けを求める声、不安を煽るような泣き声。
張りかけのテントも崩れて、果物や野菜は転がって行った。
所々で地面にヒビが入った。他の出店のテントも崩れる。鉄柱が人に当たる。
「ノア、大丈夫かっ」
「うん、僕は大丈夫。他は?」
揺れが収まってきて、ステラとノアはお互いを見合わせてそれぞれの安否を確認した。
やっと揺れが収まったかと思うと、どこからが悲鳴が聞こえてきた。
「悪ぃ、ちょっと見てくる。ノア、レイク全員の安否の確認してくれ。」
周りが焦って泣いたり叫んだりしている中、最も冷静なステラとノア。
どうだ見たか。これがステラなのだ。とノアは心の中で呟く。
「おい、叫んでたのはこっ……ち、……か」
ステラが見た光景は少なくとも子供が見たら一生のトラウマを覚えるような悲惨なものだった。
その場にいた女子に聞いてみたところ、テントが崩れて周りが見えなくなった所に、石垣が崩れ、人が下敷きになったと。
テントの幕を捲ってみると、地面が赤く染っていて、鼻を刺激する臭いがした。
「っ……」
ステラは何とかして下敷きになっていた人の腕をとった。
手首に指を当ててみようと思ったが、既に体は冷たく、触ってみても脈は無かった。
「2回目、地震…来るか……?」
ステラがその場で考え込み始めると、そこにいた女子がステラに声を掛けた。
「あちらの方に、広い避難所があります!そちらに避難しましょう!」
そういって女子はステラの手を引っ張った。だが、ステラは少年団レイクのことを気にして気が進まなかった。
「仲間……少年団が、一緒に来たヤツらがいるんだ!」
「きっとその人達もそこに避難します。あなたも避難しましょう!」
ステラはその女子の言ったことを信じて、避難所に走り出した。
2人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キャンディー(プロフ) - ついに待望の創刊号刊行ですね!待っていました!自分の書いた物語を世の皆さんに見てもらえるのはなんだか恥ずかしいような気もします。できれば各作者様のURL?みたいなのを貼ってくださると助かります! (2021年5月3日 13時) (レス) id: a896d747de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者ホームページ:なし 作成日時:2021年4月29日 10時