おおかみよ、つきよ。(澪猫) ページ35
どもです。澪猫です。人狼ゲーム、いいですよね。
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「っはぁー…着いたっ!」
野菜、果物、小麦を背負った少年少女は、街に飛び込んだ。彼らは町外れの集落にある7人の少年団、『レイク』だ。
「疲れた〜…ねー、休もうよ〜」
あちらこちらからドサッ、と荷物を下ろす音が聞こえてくる。そんな中1つの声が場を制した。
「そんなんじゃ、ノヴァになれないぜ!?お前ら、最高のノヴァになる為にレイクに入ったんじゃねぇの!?」
彼女の名前は、ステラ・アディンセル。強気で、少々男っ気があるが、リーダーシップのある少女だ。
「そ、そうだけど……」
“ノヴァ”とは、新星と言う意味を持つ。つまり、少年団レイクのトップと言う事だ。
ノヴァになれれば、将来的に街だけじゃなく、海外へも進出できる様な大人への道を辿れる。
勿論、皆ステラと同じように、少年団レイクに加入しているもの達は、ノヴァになりたいとは思っている。
だが、同時に、『ステラと同じ世代だったのが運の尽き』とも、考えていた。いや、実際そうだった。
彼等は、ステラ・アディンセルのステラが“星”と言う意味を持っていた為、尚更不可能な事を感じていた。
「まぁまぁ、ステラ。僕達は確かにノヴァを目指しているよ。だけれども、人間である以上疲労は欠かせないでしょ?」
鬼気迫るステラに対して、そう宥めたのは、彼、ノア・プリムローズ。
彼はステラと仲が良く、幼馴染だった。
『ステラを宥められるのはノアだけ。』それが少年団レイクでの訓となっている。
「はぁ?だからいつも暇な時は体力つけろっつってんだよ!」
「ステラ、勉学にも勤しんでね?」
「………いや、その辺は、大丈夫だ。」
ノアが行うのは、宥める、ではなく、捩じ伏せる、なのかもしれない。
ステラが大人しくなった所で、数分の休憩タイムが始まった。
街は活気に溢れていて、沢山の客を誘う声が聞こえる。
「ステラ、疲れてないなら僕達だけでテントを張ろう。」
「わかった。」
ノアは確かにステラを宥めるが、ノアは別に疲れているわけでもなければ、休みたい訳でもなかった。
ノア自身の中身はステラと同じように、体力オバケなのかもしれない。
「えっと……僕たちの場所はここだね。」
テントを張るというのは、出店のように幕を張るということだ。少年団レイクの出店は、テントを使用していた為、毎回テントを張っては仕舞うの繰り返しだった。
「んじゃ、やっか」
袖を捲って、ステラは立ち上がった。
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キャンディー(プロフ) - ついに待望の創刊号刊行ですね!待っていました!自分の書いた物語を世の皆さんに見てもらえるのはなんだか恥ずかしいような気もします。できれば各作者様のURL?みたいなのを貼ってくださると助かります! (2021年5月3日 13時) (レス) id: a896d747de (このIDを非表示/違反報告)
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作者ホームページ:なし 作成日時:2021年4月29日 10時