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松田side
この学校に入学してすぐ、同じ部活のちゃかと仲良くなった。
そんなちゃかに紹介されたのがAだった。
いつも窓際で髪を靡かせるクールな雰囲気の子だったが、ちゃかとは楽しそうに喋るのが印象的だった。
話してみると雰囲気はどこかちゃかに似ていて、気付いた時にはその笑顔を俺に向けてほしいと思っていた。
でも、その笑顔が俺に向けられることはなかった。
Aはいつも
『何で友達多いのに私といるの』
なんて言う。
お前が好きだからって言えたらどれだけ楽か。
それでも俺は意識してもらうのに必死だった。
これまでも2人きりになるチャンスはいくらでもあって、さりげなくアピールしているけど、全く気づかない。
やっと俺にチャンスが回ってきたのはテスト前だった。
女の子といるちゃかを見たAは動揺していて、
Aの恋心の確信をしたけど、俺のにするチャンスだと思った。
でも、4人で勉強会をしているのにちゃかしか見てないA。
ちゃかと奏の距離の近さには敏感なのに、俺との近さには気づいてくれないA。
全部腹たった。
俺を見ろよ。
俺にも気付けよ、A。
そんな一心で勉強に励み、初めてAに勝った時は、決めていた覚悟を胸に、Aに告白した。
予想通りの反応に胸が苦しかったけど、
顔を寄せた俺に手を添えず、突き飛ばしもしなかったAに、少しは希望があるのかな。なんて思った。
そして次の日からAはちょっと変わった。
顔を近づければわっ！って離れるようになったし、
「可愛い」って言えば以前より大きな照れ隠しをした。
寂しいような、でも意識してくれているのが分かって嬉しかった。
唯一変わらないことといえば、俺ら3人の関係くらい。
俺とちゃかの部活がない日は当たり前のように3人で帰る。
分かれ道が来て、そこで3人別々の方向へ帰る。
そう思ってた。
でも俺はそこで初めて気付いた。
ちゃかが遠回りをしてAと帰ってたことに。
ねえちゃか。
俺がAに顔を寄せたあの時、お前はどんな気持ちで俺たちを見てた？
木陰に隠れるだけだったお前に、Aは絶対渡さない。
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羊(プロフ) - モモイロさん» コメントありがとうございます！凄くモチベーションに繋がりました。今後もよろしくお願いします！ (1月13日 20時) (
レス) id: 03a6393e6e (このIDを非表示/違反報告)
モモイロ(プロフ) - 最近の楽しみのひとつです！更新頑張ってください〜！応援してます！ (1月13日 4時) (レス) @page19 id: 95282d6fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羊 | 作成日時：2024年1月8日 23時
