26 ページ26
.
元太は
元太「んふふ、かわい笑笑」
さらっと、俺には言えないことだって言う。
おい、何照れてんだよA。
Aが他の男に照れてるところなんて見たくない。
Aはやっぱり無防備すぎる。
今だって元太に頭を撫でられてる。
俺のなのに……
俺のだったのに……。
だから、今日の帰りこそ一緒に帰ろう。
そう意気込んでいた。
それなのに、
『海斗、奏ちゃんと同じ方面でしょ？じゃ、私こっちだから』
と言って行ってしまったA。
まじでふざけてる。
俺の気も知らないで。
俺だけかよ。一緒にいたいとか思ってんの。
仕方なくその日は奏を家まで送った。
でもそれが間違えだった。
次の日の朝、早めに学校に来てた俺は、元太とAが一緒に登校しているのを見た。
たまたま途中で会ったんだろう、
そう心を落ち着かせた。
でも次の日も、その次の日も、2人は一緒に来た。
それどころかAは、俺と一緒に帰ってくれなくなった。
え、何で？
俺なんかした？
もしかしてもう元太と付き合った？
でも俺を避ける意味がない。
え、え、え、え、
分かんないって。
思い当たる節がないから、どうしていいかわからない。
俺やっぱなんかしちゃったのかな………
全くテストどころじゃなかった。
なんとかテストを乗り越え、もう一度Aを誘うため教室へ行く途中、
下駄箱にいるAを見つけた。
Aは元太と一緒だった。
嫌な考えが脳内を埋め尽くす。
俺は断るのに、元太はいいの？
元太は特別？
俺は……
宮近「………」
きっと、今このタイミングで声を掛ければ3人で帰れる。
でも、出来なかった。
声をかける勇気がなかった。
帰ろう。
そう思ったのに、俺の体は2人についていくことを選んだ。
ついていかなきゃ良かった。
立ち聞きなんて出来る距離じゃなくて、2人の声は聞こえない。
ただ、元太が抱き締めるようにAに顔を埋めたのは見えた。
Aは振り払わなかった。
やっぱりそういうことだったんだ。
2人は両思いで、俺の入る隙なんてきっともうない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羊(プロフ) - モモイロさん» コメントありがとうございます！凄くモチベーションに繋がりました。今後もよろしくお願いします！ (1月13日 20時) (
レス) id: 03a6393e6e (このIDを非表示/違反報告)
モモイロ(プロフ) - 最近の楽しみのひとつです！更新頑張ってください〜！応援してます！ (1月13日 4時) (レス) @page19 id: 95282d6fb0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：羊 | 作成日時：2024年1月8日 23時
