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宮近「本当に分かってない、Aは」
『………』
宮近「俺らもう来年成人するんだよ」
『………』
海斗は呆れたように言う。
沸々と何かが湧いてくる。
溜め込んでいたものが溢れそうな音がする。
口に出しちゃいけない、そんな黒い何か。
分かってる。
でも
でも、
そんなの海斗だって……
『……海斗だって………』
宮近「……え？」
『……分かってないのは……』
やめて。
『海斗だって！』
止まれ。
『海斗だってっ！』
止まれ！！
『海斗だって私を女として見たことないくせに！！』
だめ！！止まれ！！
『分かったような口聞かないでよ！！』
海斗の目が一瞬丸くなった。
宮近「いやそんなこと……」
『そんなことある！』
もう、止まれない。
宮近「………」
『海斗は私のこと一生友達だと思ってる！だから私に何でも話せる！」
宮近「………え？」
止まらない。
『いつも話す例え話、あれ海斗のことでしょ？』
宮近「……」
『海斗の好きな人の話！』
宮近「………」
もう全部言ってしまえ……
『あれ聞かされるのもう嫌なの！！さんざん！！」
宮近「……………」
『もう、嫌なの笑……
嫌なんだよ笑……』
涙が滲む。
宮近「…………いつから………」
『………ふふ笑、バレバレだよ笑。何年側にいたと思ってんの笑」
宮近「………」
『………ごめんね、こんな友達で笑」
宮近「………」
やめて。そんな悲しそうな顔しないで。
『…………。
海斗は臆病だけどいいやつなんだから、きっと大丈夫だよ笑』
宮近「………」
月が夜道を照らす。
『………。
あそこ曲がったら家だから、もう行くね笑。
ありがとう、送ってくれて笑」
私は駆け出した。
月が涙で見えない……。
言っちゃった………
言っちゃったよ……。
友達でよかったのに……。
友達で………。
海斗、
ごめん、ごめんね。
遠くで花火が鳴っている。
一人で見るはずじゃなかったのに、一人でよかったなんて思ってる。
花火にかき消されて、私の涙は聞こえなかった。
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羊(プロフ) - モモイロさん» コメントありがとうございます！凄くモチベーションに繋がりました。今後もよろしくお願いします！ (1月13日 20時) (
レス) id: 03a6393e6e (このIDを非表示/違反報告)
モモイロ(プロフ) - 最近の楽しみのひとつです！更新頑張ってください〜！応援してます！ (1月13日 4時) (レス) @page19 id: 95282d6fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羊 | 作成日時：2024年1月8日 23時
