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吸殻をマイ吸殻ポケットにしまっている姿を見て、回想に耽る。





「なんで哀れみの目向けられてんだ俺」





のそのそと吸殻ポケットをしまい、煙草の2本目を漁り始める。





「とりあえず・・・どうしたんだ、先生に話してみろよJK」






「・・・・・・・・・」





「ほほう、だんまりかJKめ。どうせあれだろ、授業中に屁こいて皆にバレちゃったとか。大丈夫だ、人間みんな屁ぐらいするって」





だからさ、と咥えた煙草のカプセルを潰しながら、私の肩を軽く叩いた。





「元気出せよJK」





俺いいこと言った、みたいな顔で微笑む先生にちょっとイラッとした。ので、先生が右手に持っていた煙草の箱をガッと鷲掴んで、放り投げようと腕を振り上げる。





「オイ待て落とす気!? 待ってください!! 俺からタバコ(生きがい)を奪って何の得になると言うんだJK」





私がやろうとしていることに気付いた先生は慌てて私の放り投げる状態だった腕を引き止める。いちいちJKって呼ばないでほしい。





「そんなんじゃ・・・ありません・・・」





授業中に屁をこいたとか、そういう話ではない。





「失恋・・・です・・・」





穏やかな風が私と先生の間をすり抜ける。髪が少し弄ばれて、軽く手で抑えた。





「・・・初恋でした」





ぽつりぽつり、と話していく。





「・・・いつも笑顔で話しかけてくれたから・・・私・・・これはもうイケる、イケる以外何物でもないと思って・・・告白しました」





『えーっと・・・ごめん』





困ったような笑顔を向けられてあっさりと断られた。居た堪れなくて両手で顔を覆う。





「つらくて恥ずかしくて今に至ります」





「お前ってポジティブなの? ネガティブなの?」





結局煙草を吸わないまま話を聞いてくれた先生は軽くため息をついた。





「つらいのは分かるけどさぁ・・・ここまで落ち込むことないだろ、この世の終わりじゃあるまい・・・」





思わず暗い瞳で目を見開いて先生を見る。





「あるのかある感じだこれ」

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作者名:クロサキ | 作成日時:2019年10月30日 22時

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