墜落JKと廃人教師【清水潔子】 (ページ14)

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「俺の遅刻の理由一割はそれが原因だぞ」

「････････････九割は何ですか？」

「寝坊」

それは先生が悪いのでは･･･？なんて、わざわざ口には出さないでおく。
肩に乗っかっていた重みがすっと軽くなった。

「とにかく、賠償金、運行遅延etc.(エトセトラ)、色々ヤバイだろ」

「考えただけで吐き気が･･･」

「吐くなよ、俺のハンカチに」

思わず手に握っていたハンカチを口許に持っていくと、ちゃっかり注意された。

「それに･･･ほら･･･想像するだけで痛い。グロすぎる」

先生は震えた左手を顔に持っていく。目は絶対に合わない。

「俺グロいのダメなんだって、バイオレンスハザードとかランニング・デッドとかアイアムアヒロインとか」(敢えて少し文字を変えています)

スラスラ出てくるなぁ･･･それもゾンビものばかり。ゾンビもの好きなのかなぁ･･････

聞いてみると、「いや、ゾンビとか関係ないんだけど、」なんて返ってきた。

「俺、基本爆発四散する方に感情移入するタイプだから」

「不思議なタイプですね･･･」

「だからさぁ」

ハンカチを洗って返そうとスクールバッグに仕舞おうとすると、「いいよ、そのまま返して」と言われ気付いたらハンカチが手元から消えていた。

「お前がバラバラになって死んだら、俺はお前に感情移入して死ぬよ」

後ろから風が吹いてくる。先生の長めの髪の合間から、私を見る瞳がかち合った。

･･･あれ、やっぱり･･･この人･･････

「あの･･･」

「それより」

ぽん。また肩に重みを感じる。手のひらだったから、さっきよりは軽い。

「駅出ない？今すぐに。さっきからタバコの妖精(幻覚)がチラリズムしててさぁ･･･それともオジサンが妖精と話すとこ見たい？」

「･･･････････････」

見た目が完全にラリってる人だった。