💫ㅤ揺れる人魚 ページ48
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ゆっくり肺を酸素で満たす。
音もなく潜ればスカートも髪も畝り揺れ、波に合わせて広がる。
深く。
泡に溶けるのは初恋。海にかえるはあの日見付けた恋心。
「…あ、着替え持ってきて無かったな」
思い出した風丸が頭を抱えた。どうやってびしょ濡れの七汐を電車に乗せて帰ろうか、そう肩を落とす。
不意にポケットにしまっていたスマホが振動し、風丸は応答ボタンをスワイプした。
「リカ？あぁ、今Aと一緒にいるよ、ありがとな」
『ええんやって。それより今大変な事になってんで！』
「大変なことって？」
浦部の言葉に目を細めながら風丸は海に漂い、波とひとつになったように泳ぐ七汐を愛おしそうに見詰めた。
『あんたら街でイチャコラしとったやろ』
「っはぁ？！」
思わず声を上げ、共有された動画を上げれば手を繋ぎ見詰め合う2人。
いや、仲間内ならいつもの光景なのだけれど。
もしもフィディオが誤解したら。焦った風丸はフィディオへと通話を掛けた。
頼む、出てくれ。その一心で。
「〜ッでない！！たく、あの王子は何をやってんだ」
恋焦がれた人魚姫を海へ返し、陸のお姫様を選ぶのだろうか。
それなら、人魚姫の恋心を応援する仲間達は一体。
「……A？」
見失った。
広い海、透き通る世界は容易く見つけられるはずなのに。
「A！！Aーっ！！」
風丸が声を張り上げ、必死に七汐を呼ぶ。
周りの声に掻き消されながらも、必死に名前を呼び続けた。
居ない。
どれ程の時間浮上していないのだろう。七汐の肺活量は数分は優に潜って入れるのは承知だ。
暑いのに背中に冷や汗が伝う風丸は、焦りに目が眩みそうになる。
「風丸！」
名前を呼ばれ、振り向くとフィディオが。
あとを追いかけるルシェの姿に、一瞬だけ顔が強ばる風丸。
「Aは…？」
周囲を見渡すフィディオは。青ざめていく風丸の表情に「まさか…」と海を見渡した。
「……数分前から、姿が見えないんだ」
穏やかな波に鮮やかな透明な海に、七汐は……。
バシャバシャと波を荒立てフィディオは海へと向かっていく。
腰に波がぶつかり、服が濡れていく中。必死に見渡し、たった一人を探す。
揺れた────────……
突然、海に飛び込み深く潜っていくフィディオ。
「フィディオ！？」
ルシェと風丸が名前を呼ぶ頃には、既に耳は海の音に閉じ込められる。
海の底、身を隠すように隠れた人魚姫が居た。
安心したように微笑み、手を伸ばす。
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楸(プロフ) - るふさん» フォロリク送らせていただきました！ (8月7日 23時) (
レス) id: f754f3bbe4 (このIDを非表示/違反報告)
るふ(プロフ) - 楸さん» え！よろしいのですか…！プロフに飛んでいただければTwitterリンク貼っているのでぜひ…！ (8月7日 23時) (レス) id: 8aec098e15 (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - るふさん» 確認してみたところまだ復活できました!!検索では反映されないと思うので、宜しければこちらからフォローへお伺いします (8月7日 11時) (レス) id: f754f3bbe4 (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - るふさん» まだまだ書きたかったシーンはあったのですがありがとうございます！占ツク用は削除してしまいまして…特に夢小説の事は一切更新されないアカウントで宜しければお伝えすることはできます！ (8月7日 11時) (レス) id: f754f3bbe4 (このIDを非表示/違反報告)
るふ(プロフ) - 返信ありがとうございます…！久しぶりに夢小説読んで泣きました(感涙)ぜひ楸さんのTwitterフォローさせて頂きたいのですがリンクから飛べず…アカウントの方は削除されておられますかね？？差し支えなければお返事いただけると幸いです！ (8月7日 1時) (レス) id: 8aec098e15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作成日時：2023年6月28日 0時
