桜が落ちる時 ページ10
〜春の芽吹き編〜春の宮SIDE
春の宮「指輪さん！！お願い！忍術が使いたいの」
私は忍びの才能がない
歴史的に見てもこんなに出来ない忍びは
初めてなのではないかと思うくらいだ
実はここだけの話
卒業試験の分身の術は持ち前の幸運で
なんとかなったようなものなのだ
朝っぱらから沢山の不運にあって
体は傷だらけ、痣だらけ、火傷だらけになって。
あんなに痛い思いしたのは初めてだったんじゃ
ないのかな
何時間も練習した術が使える様子はなくて
卒業出来ないのかもしれない不幸に
囚われて最後に指輪さんに願掛けしたんだ
分身の術が使えますようにって
そしたら出来たんだ
幸運だと思って泣きながら喜んだ
でも今考えると、もしかしてこの指輪さんの
おかげなのかもしれないと思っている
ついこの前だって不思議な事を
経験した。ナルトだってサスケだって
この私の力を認めてくれた
嬉しくって天にも登るような気分で
その日はぐっすり眠れたんだ
でも次の日、嘘のように力が使えなくなった
お願い！と何回叫んでも発動しない
結局私は木を登る事も出来ず
ナルトのように影分身なんて出来ないし
サスケのように写輪眼だって持ってない
兄の様な存在のサスケには
底辺の底辺野郎！とよく言われるし
たった一人の親友のナルトには
才能がないとよく言われる
全くその通りだ
春の宮「私には！どうしても力が必要なのに！！」
悪意がない言葉でも
こころにまるで墨のように染み付いて
抜けなくて、思わず涙が漏れ出す
春の宮「お願いだから！！指輪さん！！」
サソリ「そんなんじゃ使えないぜ？」
たった一人で居たはずなのに
存在感だって全く感じなかったはずなのに
居ないはずの後ろから聞こえるはずのない
落ち着いた男の声が響いた
全く聞き覚えのない背筋の凍るようなそんな声
春の宮「あっ…あなたが噂のサンタさん？」
サソリ「バカとかそういう問題じゃねぇな」
後ろに目を向ければ
黒い中に赤い血のような雲が浮かんでいる
独特な羽織りを首元からすっぽりと羽織っている
悪役臭が凄い香っている人がいた
サンタさんなんて見た事もないし
信じてもいなかったがもしかしたら
それが仇になって会いに来たのかもしれない
真逆の季節に
サソリ「とりあえずお前を連れて行く」
春の宮「まさかの少女漫画的展開！？」
サソリ「…………やめろ！調子が狂う」
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作者名：ゆきぽん
| 作成日時：2018年4月2日 23時
