新たな可能性 ページ7
春の宮「こっここは！？」
がっしりと掴まれた体が次の瞬間に
地球の重力を一心に受けると同時に
激しい浮遊感に襲われた
空気の温度が冷たく体に打ち付けて
髪を背後から引っ張る
一体何が何だか分からなくて
頭の回転もついていけずただただされるがまま
持っていかれた
春の宮「そっ空の上…！？」
風に掻き回されてぐしゃぐしゃの髪は
顔にカーテンの様にかかり
引っ張られた筈の腰には
もう何もなかった。ただただ黄昏が
私を包み込んでくれているだけ。
平衡感覚がつかめない所為で
へたり込んでしまうが手に伝わるのは
湿った土の感覚ではなく
優しく包み込んでくれる様な木材だった
春の宮「夢が実現になった…………？」
たどたどしい足取りで
楽園の様な緑に囲まれた世界を歩んで行く
空はいつもより近くて大きくて
想像以上に澄み渡っていた
ふと下を覗いてみれば
森だって街だって小さい人形の様で
上から覗き込んでいたナルトだってサスケだって
見えもしなかった
もしかして本当に
空まで届く木の上…………に私はいる
カカシ「A！！なにがあったんだ」
春の宮「分かりません」
気怠げな声に安心したのも確かだった
夢って叶ったとしても
それが絶対に幸せだとは限らないもんだな
小さな世界を見下ろして
思わず足が震えてしまった事を思い出す
カカシ「Aがやったのか？」
春の宮「そうだよ！でも、そんなにいい気分じゃないね 元に戻りたいよ」
ねぇ？指輪さん
隠れている左手に輝いているであろう
指輪に心の中で語りかける
もしかして優しい指輪さんが
夢を叶えてくれたのかもしれない
春の宮「まっ眩しい！！」
そう心の中で呟いている時だった
空に輝き始めた星にあちこち照らされる様な
そんな輝きに包まれた
不思議な事に次に感じたのは
土の嗅ぎ慣れた、懐かしの香りだった
春の宮「地面だね…………」
カカシ「一体何が」
さっきより遠く小さい空に違和感を覚えた
空まで届く木も、小さな世界ももうそこにはなくて
何時間も見上げた木と羨んだナルトとサスケが
そこにはあった
春の宮「夢、見てたのかな？」
ナルト「違うってばよ！」
サスケ「なんだったんだ！？」
カカシ「何があったんだ」
夢みたいだけど夢じゃなくて
空から見下ろしたのは１分もなかったけど
忘れられなくて、
今の出来事が現実だという事を確認した
もしこの不思議な事を使えたのならば
私の夢も実現するかもしれない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきぽん
| 作成日時：2018年4月2日 23時
