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父上。 ページ36

「あら」

竈門「……」

お清さん、お嬢様が物凄い勢いで玄関に転がるのを目撃

後に、荒れ果てたお部屋を発見

あ、お嬢様が慌ててしまったのだと察知

玄関から出てみると

息切れているお嬢様(頰が赤い)と

口づけを交わしたであろう炭治郎を発見

!!事故!!

「お嬢様はまだ閨を共にしたお相手がいらっしゃりませんの」

竈門「……っ!!」

「それは【旦那様】がいらっしゃらないからでして」

竈門「………」

竈門炭治郎。渾身の悪行を成し遂げてしまったのである

目の前ではその白い肌を赤く染めて

胸元のはだけた美しい女がいる

すれ違いにすれ違いを重ねた二人

据え膳食わぬは男の恥とは聞かないか。

長く伸びた髪が炭治郎の手をくすぐる

今や炭治郎に体重を預け切った彼女は

攫われる、持ち帰られるなど容易いものである

怒られる前に持ち帰れ。と、悪魔の声が囁いて

静かに腰を抱き寄せてその場を去ろうとした

「お父様も娘さんを可愛がっておられて……」

が、途端に体が動かなくなったのである

力なく擦り寄ってくるお嬢様が炭治郎の心を削るながらも

お父様、と名前が出された瞬間

体が固まり止まってしまった

大正時代は家の中でも戸主に圧倒的な権力がある

つまりお父様の発言は重いのだ

そのお父様に嫌われたが最後

彼女は炭治郎と会うことが叶わなくなるだろう

その前に確実に炭治郎は抹殺される

「伝言を預かっております」

炭治郎、自分の酒の匂いで周りが見えず

人の把握もできていなかった

ただ目の前の極上の肴に釘付けであったのだ

伝言、と聞いた途端に体中の身の毛がよだち

一気に酔いが冷めていくのが分かる

心なしか足が小さく震え

そっと大きな屋敷に目をやると

獰猛な何かと目があった気がする

「娘に触れるな、鼠。だそうです」

ア、終わった。

あの獰猛な何かはきっとお父様だったのだ

屋敷の何処かでこちらを見ていた

その気配が残って今でも睨みつけているのだ

鼠とみなした炭治郎を。

いつの時代だって娘をくださいと言うのは度胸がいる

お父様がそれはそれは大きく見えて怖いものだ

しかも娘を溺愛している豪商ときたもんで

炭治郎も思わず怯えを見してしまうのである

一回だけ、見たことがある。

べらぼうに美しい奥さんを後ろに連れて

粋な着流しで街を歩けば感嘆の声があがる

あれが、お嬢様のお父様であり

炭治郎の恋路を邪魔するオトナである

後に、炭治郎は結婚の許可を得る時に壮絶な戦いを繰り広げる

終わり ログインすれば
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ぬる - ゆきぽん。さんの作る作品大好きです!とくに竈門夫婦の物語は大好きです!これからも頑張ってください! (2019年11月17日 22時) (レス) id: 7767f9a0f5 (このIDを非表示/違反報告)
神美 - 本当に大好きです!!ずっと応援してます!!毎日毎日更新を持ってますよ!!頑張って下さい!!!大好きです!! (2019年11月17日 15時) (レス) id: 4d56545640 (このIDを非表示/違反報告)
プリン星人 - ああああああああ!!好きいいいい!なんなのこれ!!すっごいすきなんだけどおおおお!?更新頑張ってねえええ!! (2019年11月17日 0時) (レス) id: 0fdbe899ee (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!!毎回本当に楽しみです(o>ω<o) やらかした炭治郎… お父上カッコ良さ気…! お嬢さんの長年の努力と…今度は頑張り屋な炭治郎の前途多難な努力…どうなるのか、すっごく気になります!!これからも応援しております♪ (2019年11月2日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
やの あかね(プロフ) - 一難去ってまた一難、ぶっちゃけありえない。(だがそこがいい) (2019年10月31日 23時) (レス) id: b41524b4b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきぽん | 作成日時:2019年10月8日 1時

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