「恋」っていうから「愛」に来た【鬼滅の刃】

宵。 ページ35

お嬢様は混乱していた

すがるように自分を引き寄せた片思い相手に

一周回って虐められているんじゃないかとすら思う

炭治郎の手が背中に回されると

愛されていると錯覚しそうだった。

死んでしまうわ、冗談じゃないの。

このまま、蒸発して。

うわ、うわわと顔が赤くなっていく

たまらなく唇を噛んで叫び声を抑えたものだから

顔がくしゃ、と歪んでしまう

その顔が面白くて、思わず頰を緩ませた炭治郎に

さらにときめいてしまって

お嬢様は列車のように煙を吹くのである

あぁ、可愛いなぁと

アルコールによって思考が蝕まれている炭治郎は

欲望の声を素直にとってしまったのである

その柔らかな頰に手を添えて

さらに固まってしまったお嬢様の顔を上に向ける

は、と声にするが早いが

その視線が絡まった時

食われてしまうかと思った

なに？と聞こうと口を開くと

アルコールの香りが口に広がった

『んぅ』

きす、の味はくらくらして

ちょっぴり胸焼けがしそうだった

唇なんて食まれたのは子供の時以来で

ガサついた感触がむず痒かった

『な、なに！？』

ながい、ナガイな。

唇の柔らかな感触は想像よりもずっと良かった

お嬢様は驚いて胸板を精一杯の手で叩くが

それを感じたところでやめてあげるほど

男を捨てたわけじゃない

吐息が漏れた。

なんだ、そんなに可愛い声でたのか。

ぐら、ぐら、揺れる。理性が。

ふわふわして、体が熱い。

もう夢をみているのだと思っていた

逃げられないように、後頭部を抑えた

髪が柔らかくて手に吸い付くみたいだった

反射的に逃げようと後ろへ身を引いた彼女を

逃すまいとさらに引き寄せて

さらにネツレツに唇を食むのだ

『た、ぁ、ん…たんじろ……』

竈門「A」

唇をなぞられると背筋が溶けていってしまう

柔らかい、暖かい、なに？これ？

唇をなぞられて、びっくりして。

口を閉ざすものの歯列をなぞられると

誘惑に囚われたように口を開いてしまう

すると炭治郎の舌が…

(ここは作者の経験不足のため、書けません)

『いや、やっ』

お嬢様の声が反抗の色を濃くさせた

夢か、とうつつを抜かしている炭治郎にとっては

その姿すら煽るものであり

理性のかけらなど残っていない彼にとって

止まることなど選択肢になかった

『や、やぁ…』

甘い吐息が漏れた時、お嬢様の腰が砕けた

気絶して大きく後ろに傾いた姿に炭治郎は

顔を真っ青にさせるのである

竈門「……やらかした…」

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